iPhoneの機種変更で大活躍!クイックスタートの使い方をご紹介
2021年8月31日
バックアップを取る必要がなく、直接データを転送できるクイックスタート。写真や画像などのデータ情報を簡単に移行できるため、iPhoneの機種変更のときにも役立つ機能です。
しかし、クイックスタートはiOS12.4以降に新しく加わった機能のため、使い方がわからない人も多いでしょう。そこで今回は、クイックスタートの使い方を紹介します。
そもそもクイックスタートとは
クイックスタートは、iOS12.4以降に新しく追加された機能でデバイス間でデータ移行ができます。クイックスタートを利用すれば、ワイヤレスでデータを移行できるため場所も選びません。また、従来であればデータのバックアップが必要だったため、データ移行に手間がかかることもありました。
クイックスタートであればバックアップの必要がないため、より手軽にデータ移行ができるのです。ただし、クイックスタートはメリットだけではありません。ここでは、クイックスタートを利用するメリットとデメリットを見ていきましょう。
クイックスタートのメリット
クイックスタートのメリットは、初めて使う人でも簡単にデータ移行ができることでしょう。クイックスタートでデータ移行する際はパソコンの用意は必要なく、旧iPhoneと新しく購入したiPhoneの2台を用意するだけです。
また、事前にデータのバックアップを行ったりWi-Fiに繋げたりする必要もないため、準備にかかる手間や時間を削減できます。データ移行における容量に制限はないので、無料で保存したすべてのデータを移行できるのも大きな魅力でしょう。
クイックスタートのデメリット
メリットが多いクイックスタートですが、実はデータ移行に時間がかかるデメリットがあります。移行するデータ容量に制限はありませんが、やはりデータ容量が大きければ大きいほどすべて移行するまでに多くの時間がかかってしまうのです。
データ容量によっては、iTunesやiCloudを活用して移行したほうがスムーズに進められる場合があることを覚えておきましょう。またクイックスタートを使用してデータ移行している間は、両方のiPhoneは使えません。
クイックスタートを始める前に確認すべきこと
旧iPhoneと新しく購入したiPhoneの本体同士をかざすだけでデータを移行できるクイックスタート。データを移行するにあたり、複雑な操作は必要ないので初めて利用する人でも簡単に使用できます。
しかしクイックスタートで作業をスムーズに進めたいなら、事前に確認すべきことがいくつかあるのです。ここからは、クイックスタートを始める前の準備として確認すべきことを紹介します。
AppleIDとパスワードを確認する
クイックスタートの操作を進めるには、AppleIDとパスワードの入力が必要です。AppleIDとパスワードを入力しないと、データ移行は行えません。ただし、AppleIDとパスワードを頻繁に使用しない場合は忘れてしまっている人もいるでしょう。万が一、AppleIDとパスワードを忘れた場合はAppleサポートで事前に確認しておくことがおすすめです。
最新バージョンをバックアップする
クイックスタートを利用する場合、旧iPhoneと新iPhoneはどちらもiOS12.4以降に設定しなければデータ移行の操作は行えない仕組みになっています。古い機種を使用している場合は、過去のバージョンのままになっていることも少なくありません。
まずは、iPhoneのバージョンを確認しましょう。もしiPhoneが最新バージョンでない場合は、事前にアップデートしておくことがおすすめです。
ネットワークの状況を確認する
クイックスタートは、Wi-Fi環境は必須ではありません。しかしデータ容量が大きい場合は、データ移行が完了するまでに時間がかかるので、転送中に通信が途切れて失敗する可能性もあります。
もしWi-Fiに繋げてデータ移行をするなら、事前にネットワークの状況を確認しておきましょう。また、不安定なWi-Fi環境では接続が切れてしまうこともあるので安定した環境で行うのが望ましいです。
ストレージの容量を確認する
新iPhoneのストレージ容量を確認しましょう。旧iPhoneよりも新iPhoneの容量が少ないと、すべてのデータを移行できない場合があります。トラブルのもとになるため、ストレージ容量は事前に確認しておくことが望ましいでしょう。
もしストレージ容量が足りない場合は、iTunesやiCloudなどを利用して容量を確保するのがおすすめです。
旧端末の電子マネーを削除する
旧iPhoneでApple Payに登録した電子マネーを使用していた場合、新しく購入したiPhoneでも引き続き使いたいと考える人もいるでしょう。このような場合は、旧iPhoneのApple Payに登録した情報を一度完全に削除しなければいけません。
情報を削除しないと、Apple Payに登録した電子マネーは新iPhoneで使用することはできないのです。旧iPhoneで情報を削除すると、新iPhoneのApple Payで再登録できるようになるでしょう。
アプリのアカウント引き継ぎを行う
クイックスタートを利用してデータ移行をする場合に注意しなければいけないのは、アプリの引き継ぎ設定です。アプリによっては自動で引き継いでくれるものや、メールアドレスや電話番号を入力すると引き継ぎ設定を行ってくれるものもあります。
このようなアプリの場合は、事前の引き継ぎ設定は必要ありません。しかしLINEの場合は、事前の引き継ぎ設定を行う必要があります。引き継ぎ設定を行わずにデータ移行を進めると、大事な情報が無くなる可能性もあるため十分に注意しましょう。
クイックスタートの使い方
ここからは、クイックスタートの使い方について確認していきましょう。データを転送している間は、両方のiPhoneは使えません。データ移行は、iPhoneを使わなくて済む時間帯を選びましょう。画像や動画などデータ情報をクイックスタートで転送する時の方法は、以下の2通りから選べます。
- 端末同士で直接データを転送する
- 有線接続で端末からデータ移行する
それぞれの方法を確認していきましょう。
端末同士で直接データを転送する
はじめに、iPhone同士で直接データを移行する方法を紹介します。データ移行で用意するものは、旧iPhoneと新iPhoneだけです。
【クイックスタートの使い方】
まずは、新iPhoneの電源を入れて旧iPhoneの近くに置きます。旧iPhoneの画面にクイックスタートが表示されるため、Apple IDを入力して表示された「続ける」を選択しましょう。少し時間を置くと、新iPhoneにアニメーションが表示されます。
両方のデバイスを重ねて「新しい [デバイス] の設定を完了」の文言が表示されたら、「手動で認証」をタップして案内に沿って操作を進めましょう。入力画面が表示されたら、旧iPhoneのパスコードを新iPhoneに入力します。
新iPhoneで Face IDまたはTouch IDを設定し、 Apple IDのパスワードを入力しましょう。新iPhoneにデータ移行の方法が表示されるため、「デバイス間でデータを転送」を選択します。
有線接続で端末からデータ移行する
ワイヤレスのネットワークが低速の場合は、有線接続でデータを移行するのがいいでしょう。特別な準備が不要なワイヤレスは手軽ですが、低速のまま転送してしまうと途中で接続が途切れてしまう可能性があります。
2台のiPhoneを有線接続してデータを移行するには、「Lightning – USB 3 カメラアダプタ」と「Lightning – USB ケーブル」が必要です。それぞれを2台のiPhoneに接続すれば、データ移行の準備は整います。前述の使い方通り、データを移行するための操作を行いましょう。
クイックスタートができない主な原因
クイックスタートは、複雑な操作は不要で初めて使う人でも簡単にデータ移行できます。ただ場合によってはクイックスタートができず、なかなかデータ移行ができず困惑している人もいるでしょう。クイックスタートができないのはさまざまなことが考えられますが、主な原因は以下のとおりです。
- 移行前に初期設定してしまった
- iOSが最新バージョンではない
- Bluetoothが有効になっていない
- データ容量の確保が十分でない
それぞれの原因を確認していきましょう。
移行前に初期設定してしまった
新しく購入したiPhoneで初期設定を行ってしまうと、クイックスタートは使えません。ただし初期設定を済ませた後でも一度リセットして元の状態に戻せば、またクイックスタートを利用できます。初期化する方法は、以下のとおりです。
【iPhoneを初期設定にする方法】
初期設定したiPhoneを初期化するには、まず「設定」「一般」「リセット」の順に選択して「すべてのコンテンツと設定を消去」をタップしましょう。入力画面が表示されたら、パスコードとApple ID のパスワードを入力します。初期化を確定したら、データが完全に消去されるまで待ちましょう。
iOSが最新バージョンではない
旧iPhone、または新iPhoneのどちらかがiOS12.4以降かどうかいまいちど確認してみましょう。2013年に発売されたiPhone 5s以降の機種であれば、基本的にiOS12.4に対応しています。
しかし、iPhone 5s以前の場合は対応していないため、最新バージョンをアップデートすることが必要です。最新バージョンをアップデートしてから、再度クイックスタートを試してみましょう。
Bluetoothが有効になっていない
クイックスタートができないのは、Bluetoothが有効になっていない可能性があります。クイックスタートは、Bluetoothが有効になっていないと使用することができません。
そもそもBluetoothは無線通信の規格のひとつで、USBケーブルを繋げなくてもデータのやり取りができる機能です。旧iPhoneと新iPhoneのどちらか一方が、Bluetoothが無効になっている可能性があるため確認しましょう。
データ容量の確保が十分でない
新iPhoneのデータ容量が足りないと、旧iPhoneに保存されたデータの転送は行えません。旧iPhoneから転送するデータを保存できる容量を新iPhoneで確保する必要があります。
データ容量が足りない状態とは、例えば、旧iPhoneに100GBのデータがあるにもかかわらず、新iPhoneのストレージ容量は64GBしかないような場合です。iPhoneのデータ容量を転送する前に必ず確認しましょう。
データ移行する方法は他にもある?
旧iPhoneに大量のデータがある場合は、クイックスタートに転送すると膨大な時間がかかることもあります。転送中はiPhoneを使用できなくなるため、早くデータ移行を行いたい場合もあるでしょう。
バックアップの作業は必要ですが、データ移行する方法はほかにもあります。少しでも早くデータ移行したい場合は、別の方法を検討しましょう。
iCloudからデータを移行する
iCloudのバックアップを使用してデータを移行できます。旧iPhoneに保存したデータをiCloudにバックアップ作業を行いましょう。バックアップが完了したら、新iPhoneに電源を入れてWi-Fiネットワークを選択して接続します。
「App とデータ」画面が表示されたら、「iCloud バックアップから復元」を選択してApple ID とパスワードで iCloud にサインインしましょう。選択画面が表示されるためバックアップを選択し、復元が終わったらデータ移行は完了です。
iTunesからデータ移行する
iTunesにバックアップしたデータを新iPhoneに移行することもできます。まずは、旧iPhoneに保存したデータをのバックアップ作業を行いましょう。バックアップが完了したら、新iPhoneの電源を入れて作業を進め、「App とデータ」画面が表示されたら「Mac または PC から復元」を選択します。
旧iPhoneをバックアップするときに使用したパソコンに新iPhoneを接続し、iTunesを開きましょう。「バックアップを復元」をタップしたら、データ移行が開始されます。復元が終わったら、新iPhoneへのデータ移行は完了です。
クイックスタートで簡単にデータを移行しよう!
端末同士を重ねるだけで簡単にデータを移行できるクイックスタート。バックアップの作業が必要ないため、新しいiPhoneを購入した人は気になっている人も多いでしょう。クイックスタートは複雑な操作は必要ないため、初めて利用する人でも簡単に操作できるはずです。
しかし、クイックスタートできないトラブルが起こることもあります。原因が最新バージョンでなかったりBluetoothが有効になっていなかったりする場合は、対処すればクイックスタートはすぐに行えるようになるでしょう。
ただクイックスタートができないのは、iPhoneが故障していることが原因になっていることもあります。そのまま放置するとデータそのものが消えてしまうこともあるため、早めの対策が必要です。iPhoneの故障が考えられる場合には、Apple公式サポート等に相談してみてください。
この記事の監修者
株式会社フラッシュエージェント
取締役 大橋光昭
1983年大阪府生まれ。OA機器販売営業、インターネット広告代理店のマーケティング職・新規事業開発職などを経て、2015年4月 株式会社ヒカリオを同社代表と設立。iPhone修理事業の担当役員として商業施設を中心に延べ14店舗(FC店含む)の運営に携わる。2019年7月 iPhone修理事業の売却に伴い株式会社ヒカリオを退職。2019年10月 株式会社フラッシュエージェント入社。「スマホ修理王」の店舗マネジメント及びマーケティングを担当。2020年4月 同社取締役に就任。