iPhoneの機種変更で必要な準備は?バックアップ作成やデータ移行方法をご紹介
2021年6月1日
バッテリーの劣化や2年契約の更新時期などの理由で、iPhoneの機種変更を考えている人も多いと思います。しかし、何も準備をせずに機種変更を行うと新端末でうまくデータを引き継げない可能性もあります。この記事では、iPhoneの機種変更で行うべき準備をご紹介します。
iPhoneの機種変更をする前の準備
それでは、iPhoneの機種変更をする際の前準備について見ていきましょう。初めてバックアップ作成やデータ移行する人は難しく感じるかもしれませんが、順序通りに作業を進めれば初めての人でも簡単に行えるため焦らず作業を進めましょう。
iPhoneのデータを整理する
機種変更する前に必ず行うべきことは、今使用しているiPhoneのバックアップ作業です。バックアップとは、端末の紛失や破損などに備えて、一時的にPCやクラウドサービスなどに写真や設定を保存しておくことをいいます。
PCや外部メモリに保存する場合は、PC本体や専用の外部メモリなどを用意する必要がありますが、クラウドサービスの場合は本体だけで完結します。
ただ、クラウドサービスの場合、サービスにより保存できるデータ量は異なります。例えば、Appleが提供するクラウドサービス「iCloud」の場合は、無料で使える容量は5GBまで。5GBを超えるデータを保存したいときは、有料プランになってしまいます(2021年5月時点)。
同じ端末を長年使用している人は、本体に保存したデータ量も多くなっているはずです。データ量があまりに多いと費用がかかるだけでなく、バックアップ作業にも時間を要します。効率的に作業を進めたい場合、バックアップ前にデータを整理しておくことがおすすめです。
空き容量を確保する方法はある?
今使用しているスマホのデータ容量がいっぱいのままデータを移行すると、新しく購入するiPhoneも同じ状態になることが予想されます。少しでも容量を減らしたい場合、データを移行する前に積極的に整理することが大切です。そこで、ここからは新しく購入するiPhoneの空き容量を確保するために、旧端末でやるべきことを紹介します。
・使用していないアプリを確認する
まず確認すべきことは、使用していないアプリの確認です。アプリは簡単にインストールできるため、興味があるものをとりあえずインストールしている人も多いのではないでしょうか。ただ、アプリは意外と容量を占めるので、どのくらいの容量を消費しているが確認しておくことがおすすめです。
アプリのデータ量を確認する方法は、「一般」「ストレージとiCloudの使用状況」の順番にタップします。画面の上に「ストレージ」のメニューがあるため、「ストレージを管理」を選択しましょう。インストールしたアプリ以外にも項目ごとにデータの消費容量を確認できます。
・必要ないアプリを削除して整理する
消費するデータ容量を確認できたら、次は現在使用していないアプリを削除しましょう。何ヵ月も起動していないアプリは、今後も使用する可能性は極めて低いです。「いつか使用するかも!」という考えは捨てて、この機会に削除しましょう。
削除してから使用する場面が出てきたら、その時に再度インストールすれば問題ありません。アプリはストレージ管理の上部に並ぶほど使用容量が大きいため、ひとつ削除するだけで空き容量も大きく変わります。アプリを削除したいときは、アプリ名をタップすれば簡単に消せます。
・ダウンロードしたコンテンツを整理する
iPhoneを使用している場合、Apple Musicから音楽や動画をダウンロードしている人もいらっしゃると思います。ただ、音楽や動画を本体に多く保存している場合、容量はすぐにいっぱいになります。もし今は視聴していない音楽や動画がある場合、このタイミングに整理しましょう。
ダウンロードした音楽や動画は、設定アプリの「ミュージック」「ダウンロード済み」の順でタップすれば端末に保存されたリストが確認できます。リストを確認して不要な音楽や動画がある場合には削除しましょう。削除方法は、左にスワイプして「削除」をタップするだけで簡単に行えます。
・iCloudやGoogleフォトを活用する
Appleが提供するクラウドサービス「iCloud」を使用すれば、iPhoneで撮影した写真はすべて保存されます。端末に写真データを残す必要がないため、空き容量を増やすことができるのです。設定から「写真とカメラ」をタップして「iCloudフォトライブラリ」をオンにしましょう。
設定を行えば、自動的にiCloudに保存されます。ただし、iCloudを無料で使える容量は5GBまでです。容量が不足する場合は、Googleフォトも検討してみましょう。iCloudと同じようにデータをバックアップ保存してくれます。
・Safariのキャッシュを削除する
キャッシュとは、ウェブを閲覧したときに残る履歴のことです。ウェブを使い続けると自分が削除しない限り、キャッシュはどんどん蓄積されていくので容量を消費してしまいます。本体の空き容量を増やしたいなら、キャッシュの削除は忘れず行いましょう。
キャッシュの削除方法は、まず設定から「Safari」を選択。画面の下に「履歴とWebサイトデータを消去」があるためタップすると、閲覧した履歴がすべて削除されます。キャッシュを削除しても保存したパスワードやIDは残るのでご安心ください。
・最近削除した写真を完全に消す
意外と知らない人も多いですが、削除した写真は端末から完全に消えるわけではありません。本体には削除データが残るため、不要な写真のせいで端末の容量を消費してしまうのです。ただ、完全に削除すれば空き容量は確保できます。
削除した写真を完全に消すには、まず写真アプリから「アルバム」を選択しましょう。「最近削除した項目」に写真がある場合、それらは完全に消去されていません。「選択」「すべて削除」の順にタップして完全に写真を削除しましょう。最近削除した写真があるなら、一度確認してみてください。
・メッセージアプリの設定を自動削除にする
iPhoneのメッセージアプリを使用して写真や動画のやり取りを多くしている場合、保存されたメッセージはかなりの容量を消費しているはずです。メッセージのやり取りの回数が増えれば増えるほど容量がいっぱいになってしまうため、定期的に自分で削除することが大切です。
ただ自分でメッセージの削除をするのは、面倒に感じることもあるでしょう。そんなときは、自動削除設定に切り替えるのがおすすめです。自動削除の設定方法は、まずメッセージを開き、下にある「メッセージを残す」を確認しましょう。もし「消去しない」になっている場合は、自動的にメッセージが削除される設定に切り替わるためです。期間は、「30日間」「1年間」から選べます。
バックアップを作成する
iPhoneのデータ整理ができて十分な容量が確保できたら、次はバックアップを作成しましょう。新しく購入するiPhoneと旧端末の間でバージョンの違いがあると、うまくデータ移行できない場合もあります。もしバージョンが古い場合は、最新版にアップデートしておきましょう。
iOSをアップデートする方法
バージョンは定期的に更新されるため、iOSをアップデートする必要があります。ここでは、iPhoneでiOSのアップデートを行う方法を紹介します。
1.設定アプリを開き「一般」を選択
赤い数字のアイコンが右端にある場合は、アップデートが必要なサインです。このアイコンがあるときは、すぐにアップデートを行いましょう。
2.「ソフトウェア・アップデート」を選択
ソフトウェア・アップデートに赤いアイコンの数字でアップデートすべき件数もわかります。「ソフトウェア・アップデート」「ダウンロードとインストール」の順にタップしましょう。
3.パスコードを入力する
「ダウンロードとインストール」をタップすると、パスコードを設定している場合は「パスコードを入力」が表示されます。パスコードの入力を6回以上続けて間違えると、最終的に初期化しないと使えない状態になってしまいます。もしどうしてもパスコードを思い出せないときは、PCと接続し、iTunesにて「復元」を行い、パスコードを削除する必要があります。「復元」を行うとパスコードだけでなく、すべてのデータや設定が初期化されるため、事前にバックアップをとっていたか確認してから行いましょう。パスコードはTouch iDやFace iDを使用する際にも必要になるので、「復元」を行ってパスコードを削除しアップデートできたら、必要に応じて再設定を行うことをおすすめします。
4.利用規約で「同意する」を選択
パスコードの入力が完了したら、利用規約が表示されます。利用規約を読んで問題がなければ、「同意する」を選択しましょう。
5.アップデートが完了
利用規約で「同意する」をタップしたら、アップデートが開始されます。完了するまでiPhoneを触らず、完全にアップデートが終わるまで待ちましょう。回線状況によってはアップデートまでに時間がかかることもあります。快適な回線状況でアップデートを開始しましょう。
バックアップ作成方法は2種類ある
バックアップの作成は、「iTunes」と「iCloud」を利用する方法があります。この2つの違いは、バックアップをする場所です。「iTunes」はパソコン上に保存し、「iCloud」はクラウド上に保存できるのでiPhoneからバックアップができます。それぞれのバックアップ方法は以下の通りです。
・「iTunes」でバックアップを取る方法
まずパソコンに最新バージョンのアプリ「iTunes」をダウンロード・インストールします。次に、今使用しているiPhoneとパソコンをケーブルで接続しましょう。iTunesにiPhoneアイコンが表示されるので選択します。「iPhoneのバックアップを暗号化」にチェックを入れて、パスコードを設定。「今すぐバックアップ」をクリックすれば、すぐにバックアップが開始されます。
・「iCloud」でバックアップを取る方法
iCloudによるバックアップはWi-Fi環境が必須です。まずは、Wi-Fiに接続しましょう。iCloudのバックアップ作成は、設定アプリを開き、「ユーザー名」「iCloud」の順でタップ。「iCloudを使用しているAPP」の一番下にある「iCloudバックアップ」を選択しましょう。「iCloudバックアップ」をオンにして「今すぐバックアップを作成」をタップすればバックアップが開始されます。
バックアップで暗号化は必要?
暗号化とは、情報をロックしてデータ形式を別の形式に変換することをいいます。バックアップを暗号化することで、通常とは異なり、パスワードやWi-Fi設定、ウェブサイトの履歴、LINEのトーク履歴なども引き継げるようになります。
ただし、バックアップから復元するとき、専用パスワードの設定が必要です。暗号化の解除でも必要であるため、パスワードを忘れてしまうと復元できなくなったり消去せざるを得なかったりします。バックアップの暗号化は必ずしも必要なわけではありません。しかし引き継げる情報量も変わるため、目的に合わせて暗号化するか決めましょう。
LINEアカウントを引き継ぎ設定する
バックアップを作成したら、LINEアカウントの引き継ぎ設定を行います。ただ、新しく購入するiPhoneにアカウントを引き継ぐには、事前にアドレスを登録して設定を行わなければいけません。
旧iPhoneで引き継ぎをする手順
LINEアカウントの引き継ぎ設定でやるべきことは、大きく2つあります。それぞれの確認方法や手順を見ていきましょう。
・登録したアドレスを確認する
LINEアカウントの引き継ぎでは、登録したメールアドレスが必要になります。メールアドレスを忘れている人は、まず詳細を確認しましょう。メールアドレスを確認する方法は下記のとおりです。
1.LINEを開いて「その他」を選択
2.「設定」アイコンを選択
3.「アカウント」を選択
4.「メールアドレス変更」を選択
5.登録されたメールアドレスを確認
メールアドレスの登録を行っていない場合は、まず登録設定が必要です。またメールアドレスを変更する場合は、「メールアドレス変更」をタップして必要事項を登録しましょう。
・引き継ぎ許可を設定する
今使用するiPhoneでは、引き継ぎの許可設定を行わなければいけません。引き継ぎ許可を設定する手順は以下のとおりです。
1.LINEを開いて「その他」を選択
2.「設定」アイコンを選択
3.「アカウント引き継ぎ設定」をタップ
4.「アカウントを引き継ぐ」をオンにする
新iPhoneで引き継ぎをする手順
新しく購入したiPhoneで引き継ぎをする場合、まずLINEアプリをインストールしましょう。LINEを起動してログイン画面が表示されたら「ログイン」を選択。メールアドレスとパスワードを入力後、電話番号の入力が求められます。電話番号の入力後、4桁の暗証番号が送られてくるためその番号を入力しましょう。問題がなければ、LINEの引き継ぎは完了です。
トーク履歴はバックアップを取れる?
LINEの6.4.0以降、トーク履歴もiCloudにバックアップできるようになっています。LINEのトーク履歴のバックアップは初心者でも簡単に行えるため、下記の手順に沿って進めてみましょう。
1.LINEのメニューバーから「その他」を選択
2.歯車マークの「設定」を選択
3.「トーク・通話」を選択
4.「トークのバックアップ」を選択
5.「今すぐバックアップ」を選択
6.「バックアップ完了」と表示されたら完了
※LINEの引き継ぎ方法は随時更新されていますので、必ずLINEのHPをご確認ください。
ゲームアプリのデータ引き継ぎを行う
iPhoneでゲームアプリをインストールしている人は、データのバックアップと引き継ぎ設定を事前に行うことが必要です。正しい手順で引き継ぎを行わないと、今まで積み重ねてきたデータが消える可能性もあります。新しいiPhoneにデータを以降したい場合は必ず確認しておきましょう。
各ゲームアプリのデータ引き継ぎ方法
ゲームアプリによって引き継ぎ設定方法も大きく異なるのが現状です。今回は、人気の高い2つのゲームアプリに絞って引き継ぎ方法を紹介します。
・パズル&ドラゴンズ(パズドラ)
設定アプリから「iCloud」を選択。「iCloud Drive」をタップして「オン(緑)」にします。表示されたゲームアプリの中から「パズドラ」をオンにすればデータの引き継ぎが完了です。iCloudにサインインした状態で新iPhoneからパズドラを起動すれば、最後にプレイした状態からまたゲームを始められます。
・星のドラゴンクエスト(星ドラ)
ゲームアプリのメニューバーから「データバックアップ」をタップしましょう。「規約に同意して登録」が表示されるので、内容を確認してタップします。その後、Twitter・Google・Facebookなどの中からゲームデータのバックアップ先を選択します。「登録完了です」と画面に表示されれば、バックアップは完了です。新iPhoneでアプリをインストールして起動し、「つづきから」をタップすればゲームを再開できます。
※本体OS及びソフトウェアのバージョンにより操作方法やバックアップ内容が異なる可能性があります
新スマホのアクセサリーを準備する
最後は、ケースや液晶保護シートなど新しく購入するiPhoneのアクセサリーを準備しましょう。機種によってカメラ位置やサイズも異なるため、今使用するスマホのアクセサリーを受け継ぐのは難しいことも多いです。端末も衝撃などから守れるため、新iPhoneに合わせてケースや液晶保護シートを準備しましょう。
各種キャリア別アプリでデータを移行する方法
キャリアが提供するアプリを使用してデータを移行する方法もあります。それぞれデータを移行する手順が異なるので事前に確認しておきましょう。
au
auを利用する人は、「データお預かり」のアプリを使用してデータ移行ができます。データ移行の手順は、以下のとおりです。
【旧iPhoneでデータを保存】
1.アプリを起動
2.「同意してはじめる」「次へ」の順で選択
3.アクセス権を「許可」を選択
4.ログインが完了したら「OK」をタップ
5.項目にある「預ける」を選択
6.保存したいデータにマークを入れる
【新iPhoneでデータを移行】
1.「データお預かり」アプリを起動
2.「同意してはじめる」「次へ」の順でタップ
3.アクセス権を「許可」を選択
4.ログイン完了後「OK」を選択
5.画面に表示された項目「戻る」を選択
6.戻したいデータにマークを入れる
ドコモ
ドコモの利用者は、キャリアが提供するアプリ「ドコモデータコピー」を使ってデータを移行できます。データ移行の手順は以下のとおりです。
1.アプリをインストール
2.新旧端末の両方でアプリを起動
3.Wi-Fiをオン・Bluetoothをオフにする
4.コピー先の端末をマーク
5.新端末で「QRコード」を読み込む
6.「移行データの選択」からデータを選択
ソフトバンク
ソフトバンクの利用者は、キャリアが提供するアプリ「かんたんデータコピー」を使用すればデータを簡単に移行できます。データ移行の手順は以下のとおりです。
1.「かんたんデータコピー」をインストール
2.「かんたんデータコピー」を起動
3,利用規約を確認して「同意」を選択
4.コピー先の端末をマーク
5.アプリ内のカメラで「QRコード」を読み込む
6.「本体データの選択完了」「コピー開始」の順番に進む
※本体OS及びソフトウェアのバージョンにより操作方法やバックアップ内容が異なる可能性があります
iPhoneを機種変更するときは事前準備を行おう!
機種変更をする前にデータやアプリのバックアップや引き継ぎ設定を行うことで、機種変前と同様にiPhoneを使用することが可能です。少し手間や時間はかかりますが、しっかり準備することで大切なデータの紛失や破損などさまざまなリスクも回避できます。ここで紹介した方法や順序を参考にして事前準備を進めましょう!
また、旧端末で不具合や故障を感じるときは、一度スマホ修理王にご相談ください。旧端末で不具合や故障が起きるとデータのバックアップが正常に行われないだけでなく、場合によっては大切なデータが消えてしまうおそれもあります。正常に動作すれば機種変後にサブ端末として使用することも可能なので、ぜひお近くの店舗でご相談ください。
この記事の監修者
株式会社フラッシュエージェント
取締役 大橋光昭
1983年大阪府生まれ。OA機器販売営業、インターネット広告代理店のマーケティング職・新規事業開発職などを経て、2015年4月 株式会社ヒカリオを同社代表と設立。iPhone修理事業の担当役員として商業施設を中心に延べ14店舗(FC店含む)の運営に携わる。2019年7月 iPhone修理事業の売却に伴い株式会社ヒカリオを退職。2019年10月 株式会社フラッシュエージェント入社。「スマホ修理王」の店舗マネジメント及びマーケティングを担当。2020年4月 同社取締役に就任。