シリアル番号でiPhoneの製造国を調べることができる?番号の確認方法を解説

2024年11月1日

iPhoneのシリアル番号から特定できる情報は製造国や製造工場、製造日、モデル、デバイスのカラーです。番号は設定アプリを開くほか、SIMトレイの記載を確認することで簡単にわかります。

今回はiPhoneのシリアル番号の調べ方や読み取れる情報、具体的な使い方を解説します。

シリアル番号で製造国がわかるのはiPhone12シリーズまで

結論からいうと、シリアル番号から製造国を判別できるのはiPhone12までです。iPhone13以降のモデルはランダムで数字を割り振られる仕様になっており、番号による情報の取得はできなくなりました。

旧式のシリアル番号は製造元の特定につながるため、外部に漏れたときに悪用のリスクがあるのではと心配する方もいるでしょう。しかし、ユーザーの個人情報が第三者に筒抜けになるわけではなく、不正請求やハッキング被害の危険はありません。

ただし、製造元の情報漏洩も防ぎたい場合、iPhone13以降のモデルを使用すると安全です。シリアル番号の割り振り方法が変わった新しいデバイスは、桁数も12桁から10桁に変更されました。

見た目が明らかに異なるうえ、製造元にかかる情報の取得も不可のため、シリアル番号という名称は同じでも別物と考えたほうが良いでしょう。

iPhoneのシリアル番号でわかること

iPhoneのシリアル番号は12桁のアルファベットや数字の羅列です。はじめの2桁は製造国、3つ目の文字は組み立てラインというように、記載位置ごとに取得できる情報が異なるのが特徴です。

シリアル番号の解読に成功すれば、次のとおりお手持ちのiPhoneについて下記の情報がわかります。

  • 製造国・製造工場
  • 組み立てライン
  • 製造日
  • iPhoneのモデル
  • iPhoneの色

それぞれ詳しく解説します。

製造国・製造工場

最初の2つの文字は組み立て工場のIDを示しており、デバイスの製造国を特定できます。主要な国のコードは次のとおりです。

  • 1C、4H、WQ、F7:中国
  • C0:中国―Tech Com
  • C3:中国・深市―Foxconn
  • C7:中国・上海市―Pentagon
  • W8:中国・上海
  • DL、DM:中国―Foxconn
  • DN:中国・成都市―Foxconn
  • CY、PT:韓国
  • EE、QV、UV:台湾
  • G8、XA、XB、QP:アメリカ
  • F : カリフォルニア州フリーモント
  • E、SG:シンガポール
  • MB:マレーシア
  • RN:メキシコ
  • RM:整備済製品

なおRMは一度販売に出された後、Appleがデバイスを引き取り修理して再度店頭に並んだiPhoneに付される番号です。

組み立てライン

3つ目の文字はデバイスが作られた製造ラインの特定に用いる番号です。主にAppleが品質管理のチェックをするために付されたコードで、基本的にユーザーが使う機会はありません。

例えば、製品の不具合が発覚したときに原因を特定する際に使われます。具体的にはリコールが発生した場合、どの国でいつ、どの工場のどのラインで製造された部品に問題が起きているか簡単に把握できます。

製造日

4つ目と5つ目の文字からは製造日を確認でき、最初の数字は製造年を、次の文字は週を表しています。年数は西暦の下1桁に対応しており、以下のコードが付されます。

  • 0年:C/D
  • 1年:F/G
  • 2年:H/J
  • 3年:K/L
  • 4年:M/N
  • 5年:P/Q
  • 6年:R/S
  • 7年:T/V
  • 8年:W/X
  • 9年:Y/Z

年ごとに2つの番号があるのは上半期と下半期で別々の数字になるからです。例えば2020年の場合、Cが1〜6月を、Dが7月〜12月を示しています。

4桁目の週に関する記載ルールは次のとおりです。

  • (1~9):1~9週目
  • (C~Y):10~27週目
  • (1~9):28~36週目
  • (C~X):37~53週目

例えば3つ目と4つ目に「DC」と記載があるiPhoneは、2020年の37週目(9月)に製造されたデバイスだとわかります。シリアル番号による製造日の確認では特定のアルファベットを除くほか、アルファベット順だと「L→M→N」になるところが「M→N→L」となるなど、通常の並びとは異なるケースがあります。

iphoneのモデル

9~11番目の文字はデバイスの世代や型式を表します。

  • JC6 – iPhone 8
  • JCL – iPhone 8 plus
  • JCL – iPhone X
  • KXK – iPhone XR
  • KPH – iPhone XS MAX
  • KPF – iPhone XS
  • N70 – iPhone 11 Pro Max
  • N72 – iPhone 11
  • N73 – iPhone 11
  • N6X – iPhone 11 Pro

同じ世代でも型式に応じて番号は変わるため、正確な情報が知りたい方は注意が必要です。

なお6〜8桁目の文字列はデバイスごとに異なる固有のコードです。同一の製造国・製造年月(週)で作られたiPhoneを識別するため、ランダムに付されています。

iphoneの色

シリアル番号の最後の一文字はカラーコードを表しており、iPhone 11 Pro Maxの場合は次のとおりです。

  • K、P、F、V – ゴールド
  • D、J、N、T、Z – シルバー

他にもミッドナイトグリーンやスペースグレイに対応したアルファベットがあります。

シリアル番号の末尾がカラーコードとなるのは、すべてのApple製品に共通する特徴ではありません。デバイスの種類によってはストレージ情報を表している場合もあり、iPadはハードウェアの構成を意味しています。

iPhoneのシリアル番号の調べ方

iPhoneのシリアル番号の調べ方は複数あり、スマホの使い方に習熟していない方でも簡単に情報を取得できます。

代表的な調べ方としては下記のものがあります。

  1. 設定画面から確認する方法
  2. SIMトレイから確認する方法
  3. iTunesやFinderから確認する方法
  4. Apple IDから確認する方法

それぞれ詳しく解説します。

設定アプリから確認する方法

「設定」→「一般」と遷移して、「情報」をタップするとシリアル番号が見つかります。名前、iOSのバージョン、機種名、モデル番号と続き、その次に記載があるものが該当の数字です。

長押ししてコピー&ペーストができるため、フォームに入力する際も簡単な操作で済みます。なお「情報」ではIMEI(端末識別番号)・MEID(移動機識別番号)・ICCID(SIMカード・UIMカードの番号)も取得可能です。

SIMトレイから確認する方法
次に列挙したモデルでは、SIMトレイにシリアル番号やIMEの記載があります。

  • iPhone 3G
  • iPhone 3GS
  • iPhone 4 (GSMモデル)
  • iPhone 4s

故障で設定画面を開けないときでもハードウェアの記載を見るだけで番号が判別できるため、知っておくと非常時に役立つでしょう。

iPhone6〜iPhone13ではSIMトレイにシリアル番号の記載がない代わりに、IMEI/MEIDの記載があります。デバイスの特定には不都合を来たさないため、万一の事態に備えて覚えておきましょう。

また以下のモデルでは、SIMトレイではなく本体の背面にIMEI/MEIDが記載されています。

  • iPhone 6
  • iPhone 6 Plus
  • iPhone SE (第1世代)
  • iPhone 5s
  • iPhone 5c
  • iPhone 5

iTunes・Finderから確認する方法

iPhoneのシリアル番号は、次の手順を踏むことでiTunesやFinderで調べられます。

  1. iPhoneとパソコンを接続
  2. 「iTunes」もしくは「Finder」を起動
  3. デバイスのアイコンをクリック
  4. iTunesでは「概要」を、Finderでは「一般」をクリック
  5. シリアル番号を確認

AppleサポートやWebサイトの問い合わせフォームを利用する場合、「編集」→「シリアル番号をコピー」で手軽にコピー&ペーストできます。デバイス名や電話番号をタップすると、IMEIやMEID 、 ICCIDの取得も可能です。

Apple IDから確認する方法

iPhoneのシリアル番号はApple IDからも確認できます。確認方法は以下の通りです。

  1. デバイスのApple IDでサインイン
  2. 「デバイスセクション」をクリック
  3. シリアル番号を取得したいデバイスを選択
  4. シリアル番号や IMEI/MEID 番号の確認

上記の手順を試しても番号がわからないとき、iOS10.3以降のOSを搭載した別のデバイスが手元にあれば、代替手段を実行できます。Apple IDでサインインした後「設定」→「ユーザー名」タップすると、IDに紐づくすべての端末の情報が表示されます。

iPhoneのシリアル番号の使い道

iPhoneのシリアル番号が役に立つのは、修理に出すときやリコールの対象かどうか確認するときです。また、保証サービスの加入状況を知りたい場合や、譲渡や売却の際にも使える場合があります。

iPhoneのシリアル番号が役立つシーンや具体的な利用方法を紹介します。

Appleへの問い合わせ時に必要になることがある

代表的な利用シーンはAppleサポートに問い合わせするときです。iPhoneの調子がおかしくなって対処方法がわからない場合でも、カスタマーサポートにシリアル番号を提供すれば、端末の迅速な特定につながります。

Appleサポートの確認を受け、修理が必要な状況か見極めたくても「時間がない」「近くにお店がない」などで電話による対応を希望するケースがあります。事前準備としてシリアル番号を取得しておけば、オペレーターの対応がスムーズに進むでしょう。

問題の特定に必ずしも必要な情報とは限りませんが、問い合わせの際に聞かれる場合に備えて、準備しておくと賢明です。

リコールの対象になっている確認する際に使う

愛用のデバイスがリコールの対象かどうか知る際にも、シリアル番号が必要になるケースがあります。リコールとは不良品が判明したとき、製造元の判断で自主回収して、交換や返品を実施することです。

Appleは過去に防火安全上の問題が発生するとして、MacBook Proのバッテリーについて無償交換に応じた事例があります。本プログラムではリコールの対象か判断するために、シリアル番号が用いられました。

先例があるため、今後販売したiPhoneにトラブルが発覚した際、同様の確認方法が採用される可能性もゼロではありません。自分でシリアル番号を確認できないとリコールの対象かどうか判別できず、知らない間に不利益を被る場合があります。

万一の事態に備えて、いつでも番号がわかるようにしておくと良いでしょう。

保証がまだ続いているか確認する際に使う

デバイスの保証状況を確認する際にもシリアル番号は使えます。利用し始めてから時間が経つと保証内容を忘れてしまい、紛失や故障時にサポートの対象となるかわからなくなる場合があるからです。

Appleの「お使いのデバイスの保証状況の確認」のページで番号を入力すると、保証状況の確認や追加で利用できるAppleCareの保証サービスをチェックできます。

上記のサイトではAppleCare+に加入しているか、加入可能な状況かどうかもわかります。AppleCare+に加入中でもすでにサポート回数の制限を超えていると利用できません。

保証が継続中でも、利用状況次第ではバッテリーや端末の交換はできない場合があることに注意が必要です。

譲渡や売却の際に使う

シリアル番号はスマホの買取店やフリマアプリでiPhoneを譲渡・売却する際に役立つ情報です。代表的なフリマアプリのメルカリではiPhoneの売却時、売り手側にシリアル番号とIMEIの明示を推奨しています。

シリアル番号は、スマホを他人に譲り渡す際の必須情報ではありません。ネットワークの通信制限がかかっているか否かはIMEIで判定できるためです。しかし、シリアル番号を伝えれば、製造元がわかる安心感から高値での売買に有利に働く可能性があります。

フリマアプリの売買ではメッセージのやり取りを通して、買い手側からシリアル番号の明示を求められる場合があります。上述のとおり、住所や氏名などの個人情報が洩れる危険はないため、要求に応えて番号を教えると取引が成立する確率は上がるでしょう。

シリアル番号を確認する方法は覚えておこう

iPhoneのシリアル番号は故障時の問い合わせやリコールの確認、保証状況の確認に使える便利な数字です。

製造元(製造国・製造工場・製造ライン)や製造年月日を特定されるとはいえ、ユーザーの個人情報の読み取りは不可能であるため、他人に提供してもハッキングや詐欺被害の心配はありません。

自分から積極的に提供する必要はないにしても、確認する方法を覚えておくと役立ちます。
基本的な設定アプリを用いた方法以外にも、デバイスが利用できない状況に備えて、SIMトレイやiTunes、Apple IDによる確認方法も知っておきましょう。

故障が疑われる状況の場合、公式の修理先を利用せず、スマホ修理専門店にiPhoneを持参したほうが問題の早期解決につながる場合もあります。

第三者修理店は修理に純正品を利用できませんが、修理スピードが早いというメリットがあります。今すぐにデバイスの状態をみてほしいと望む場合、街のスマホ修理店に持参するのも一つの手です。

スマホ修理王は最短10分で対応可能なスピーディーな修理体制を備えた修理店です。総務省の登録修理業者の認定も受けており、国の基準を満たす高品質の部品のみ使用しています。

愛用のiPhoneに動作不良が見受けられるときは、ぜひスマホ修理王までご相談ください。

※機種や症状により一部店舗ではご対応できない場合があります。予めご了承ください

この記事の監修者

株式会社フラッシュエージェント

取締役 大橋光昭

1983年大阪府生まれ。OA機器販売営業、インターネット広告代理店のマーケティング職・新規事業開発職などを経て、2015年4月 株式会社ヒカリオを同社代表と設立。iPhone修理事業の担当役員として商業施設を中心に延べ14店舗(FC店含む)の運営に携わる。2019年7月 iPhone修理事業の売却に伴い株式会社ヒカリオを退職。2019年10月 株式会社フラッシュエージェント入社。「スマホ修理王」の店舗マネジメント及びマーケティングを担当。2020年4月 同社取締役に就任。

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