iPhoneの乗っ取りを確認するには|原因や症状も解説

2023年3月31日

ハッキングやフィッシング詐欺が巧妙化するなか、自分のスマホが攻撃を受けて個人情報が流出しないか不安に感じる方もいるでしょう。実際にiPhoneで乗っ取り被害に遭った事例も多く報告されているため、対処法を覚えておくと安心です。

今回は、iPhoneの乗っ取りを確認する方法や対処法、回避するポイントを紹介します。

iPhoneの乗っ取りとは?

iPhoneの乗っ取りとは、第三者によって不正侵入されることです。「個人情報を盗まれる」「Apple IDを不正利用される」「パスワードが勝手に変更される」など、iPhoneが乗っ取られるとさまざまな被害に遭うおそれがあります。

クレジットカードやウォレット情報を保存している場合は、金銭的な被害に遭うおそれもあるので注意しなければいけません。

また、盗まれたユーザー情報が犯罪者間で取引されると、自分だけでなく登録していた家族や友人などに被害が及ぶ可能性もあります。なかには、サイバー攻撃の踏み台として悪用され、知らない間に犯罪に加担していることもあるので要注意です。

このような被害に遭わないためにも、iPhoneが乗っ取られないように対策が求められます。

iPhoneの乗っ取り|マルウェアの感染経路は?

個人で保有するiPhoneを、どのような方法で乗っ取るのかわからない方もいるでしょう。iPhoneを乗っ取る方法として代表的なのが、マルウェアの感染によるものです。マルウェアは、利用者の不利益をもたらす悪意のあるソフトウェアの総称です。

マルウェアを通してiPhoneが乗っ取られると、遠隔操作で勝手に写真を撮影されたりメールが流出したりなどの被害に遭うおそれがあります。マルウェアの感染経路はさまざまなので、事前に手口を理解して乗っ取られない対策を徹底することが大切です。

ここからは、マルウェアの感染経路を詳しく確認していきましょう。

特定サイトへのアクセス

メールなどに記載されたサイトリンクを踏むことで、マルウェアに感染させる手口があります。アクセスしたサイトでアプリをインストールさせて感染させるのが一般的な手口です。しかし、なかにはサイトに接続しただけでマルウェアに感染してしまう事例も報告されています。

近年は攻撃の手口も巧妙化しており、不正メールなのか判断しづらい場合も多いので注意が必要です。

無料Wi-Fiや外部デバイスへの接続

公の場で誰でも利用できる無料Wi-Fiのなかには、乗っ取りを目的としたものがあります。近年は働き方が多様化しており、職場以外で仕事をする機会が増えました。無料だからといってWi-Fiに接続してしまうと、知らないうちに乗っ取られる可能性があります。

また、マルウェアに感染しているSDカードなど外部デバイスから感染する場合もあるので注意しましょう。

アプリケーションのインストール

アプリケーションをインストールするときは、マルウェアに感染したものが紛れ込んでいないか注意が必要です。マルウェアに感染したアプリケーションをインストールしてしまうと、スマホが乗っ取られるおそれがあります。

App Storeで提供されているアプリケーションは、基本的に厳しい審査を通過しているので感染するリスクが低いです。それ以外の場所でアプリケーションをインストールすると、iPhoneがマルウェアに感染する可能性があります。

iPhoneの乗っ取りによる被害例

実際にスマホが乗っ取られると、どのような被害を受けるのかわからない方もいるでしょう。主な被害例には、次のようなものがあります。

  • 有料コンテンツから身に覚えのない支払請求がくる
  • 個人情報が漏洩する
  • Apple IDのパスワードが変更される
  • 画面がロックされ身代金支払いを要求される

これらに該当する場合は、iPhoneが乗っ取られている可能性が高いです。乗っ取られた状態を放置すると被害が拡大する場合があるので早めに対処しましょう。

有料コンテンツから身に覚えのない支払請求がくる

スマホが乗っ取られると、身に覚えのない支払いを請求される場合があります。支払い請求が届くのは、乗っ取りによりApple IDが不正利用されて勝手に有効コンテンツに課金されたりアプリケーションが購入されたりしているためです。

特に、有料コンテンツは自動更新が基本なので、契約解除しない限り毎月支払いを請求され続けることになります。

個人情報が漏洩する

iPhoneが乗っ取り被害に遭うと、不正ログインされて個人情報が漏洩する可能性があります。Apple IDやパスワードが漏れた場合は、ブラウザ履歴やiCloudの保存情報が流出するおそれもあるので注意しなければいけません。

また自分の情報だけでなく、iPhoneに登録している家族や友人、職場の人などの情報が漏洩するリスクもあるので注意する必要があります。

Apple IDのパスワードが変更される

設定を変更していないにもかかわらず、Appleから設定変更の確認メッセージが届いた場合、iPhoneが乗っ取られている可能性が高いです。Apple IDのパスワードが勝手に変更されると管理権限が第三者に移るため、不正利用されるリスクが高まります。

Apple IDはApp StoreやiCloudなど他のサービスにも紐づいているため、気づいたら早めの対処が必要です。

画面がロックされ身代金支払いを要求される

乗っ取り被害を受けると、Apple IDが漏れて遠隔でロックされる場合があります。iPhoneには、紛失や盗難した際に端末の位置を探せる「iPhoneを探す」が搭載されています。便利な機能であるものの「iPhoneを探す」が悪用され、突然遠隔ロックされることがあるのです。

また、第三者が管理権限を持つことになるため、解除に身代金を要求される場合があります。いわゆるランサムウェアと呼ばれる身代金要求型のマルウェアで、近年被害に遭う事例が増えています。

身代金を要求されて焦る方もいますが、身代金を支払ったとしても遠隔ロックが解除される保証はありません。身代金を要求されても支払わないように注意しましょう。

iPhoneが乗っ取られていないか確認する4つの方法

巧妙な手口で感染を仕掛けてくる事例もあるので、気づかないうちにiPhoneが乗っ取られていることも少なくありません。その状態を放置すると被害が拡大するおそれもあるため、感染を早期に発見することが大切です。

iPhoneが乗っ取られていないか確認する方法には、次のようなものがあります。

  • SNSやWeb上のログイン履歴を確認する
  • iPhoneの動作を確認する
  • Apple IDのアカウント情報を確認する
  • Apple IDに関連する通知をひとつずつ精査する

それぞれの方法を詳しく確認していきましょう。

1.SNSやWeb上のログイン履歴を確認する

iPhoneが乗っ取られていないか知りたいなら、SNSやWeb上のログイン履歴を確認しましょう。身に覚えのないログインやパスワード変更メールが届いている場合は、乗っ取りの被害に遭っている可能性が高いです。

パスワードを変更されてしまうと、管理権限を奪われるかもしれません。すぐにパスワードを変更して、乗っ取りによる被害が拡大しないように対処が大切です。

2.iPhoneの動作を確認する

使い始めてから間もないのに動作が重かったりバッテリーの消耗が早かったり、本体が熱を持っていたりなどの症状が見られる場合、iPhoneが乗っ取られている可能性があります。乗っ取りの可能性を視野に入れて対処する必要があるでしょう。

また、カメラやマイクの起動を示すオレンジのマークがステータスバーに表示されている場合は、盗聴されている可能性が考えられます。ただし、iPhoneの経年劣化や故障により、乗っ取りに似た症状が現れている場合も考えられるので注意してください。

3.Apple IDのアカウント情報を確認する

iPhoneが乗っ取られてしまうと、Apple IDが変更される可能性があります。まだ、ログインできる状態であるなら、Apple IDのアカウント情報が変更されていないか確認しましょう。

アカウント情報が変更されていなくても乗っ取られている可能性が高いなら、その時点で新しいパスワードに変えるのがおすすめです。乗っ取りで第三者にパスワードを変更されている場合は、残念ながらログインできないので別の方法で対処する必要があります。

4.Apple IDに関連する通知をひとつずつ精査する

Apple IDに関連するサービスに変更があった場合、登録したメールアドレスに通知が届きます。乗っ取りを画策する攻撃者は、Apple IDの情報を入手して不正利用することが多いです。

見覚えなのない通知が届いている場合は、乗っ取りの被害に遭っている可能性があります。Apple IDに関する通知が届いていないか1通ずつメールを確認しましょう。

iPhoneの乗っ取りが疑われる場合の対処法3つ

iPhoneの乗っ取りを放置すると、被害が拡大するおそれがあります。被害の拡大を防ぐためにも早急の対処が望ましいです。

乗っ取りが疑われる場合の対処法には、次のようなものがあります。

  • 端末をオフラインにしApple IDのパスワードを変更する
  • 不審なアプリやカレンダーを削除する
  • Apple社へ連絡する

それぞれの対処法を詳しく確認していきましょう。

1.端末をオフラインにしApple IDのパスワードを変更する

乗っ取りが疑われる場合、一度ネットワーク接続を遮断してApple IDのパスワードを変更することをおすすめします。まだログインできるなら第三者によってパスワードが変更されていない状態なので、早めの対処が望ましいです。

ホーム画面から「設定」「ユーザ名」「パスワードとセキュリティ」の順に選択して、「パスワードの変更」をタップしましょう。新しいパスワードを入力して「パスワードの変更」を選べば、パスワード変更は完了です。

参考:Apple「Apple ID のパスワードを変更する

※iOSのバージョンにより操作方法が異なる場合があります

2.不審なアプリやカレンダーを削除する

iPhone内に不審なアプリケーションやカレンダーがある場合は、すぐに削除しましょう。たとえば、無意識にアプリケーションをインストールしてしまい、マルウェアに権限を与えてしまうおそれがあります。端末全体が危険に晒されるため、すぐにアンインストールしましょう。

また、iPhoneが乗っ取られるとカレンダー機能を悪用されて、不正プログラムを組み込まれることもあります。カレンダーの通知を開くとスパムサイトに誘導されたり、個人情報を盗まれたりする危険性が高いです。不審なカレンダーを見つけたときは、その項目を削除しましょう。

3.Apple社へ連絡する

iPhoneが乗っ取られると、第三者によってApple IDやパスワードを変更されてログインできない状態に陥ることもあります。ログインできない場合は、Apple IDやパスワードを変更されていつ可能性が高いため、Apple社のサポートに連絡して対応してもらいましょう。

Apple社のサポートであればアカウントを保護できるため、被害の拡大を防げます。ただし、Apple社のサポートと称して個人情報の入力を要求するサポート詐欺を受ける可能性もあります。ポップアップ広告をタップすると感染するおそれがあるので注意しましょう。

iPhoneの乗っ取りを防ぐためのポイント

乗っ取りの被害に遭わないためにも、事前に対策をとることが大切です。iPhoneの乗っ取りを防ぐためのポイントには、次のようなものがあります。

  • パスワードは使い回さない
  • 公共フリーWi-Fiを使わない
  • セキュリティ機能を使用する

パスワードを使い回すと、攻撃者に見破られる可能性があります。推測しやすい文字列ではなく、英数字やアルファベットも交えて複雑化させることが大切です。また、ハッキングのリスクを防ぐために公共のフリーWi-Fiは使用しないようにしましょう。

さらに、iPhoneにはセキュリティを強化するために2ファクタ認証があります。指紋認証や顔認証、証明書など2要素以上の組み合わせを採用する方法で、不正ログインできないようになるのです。乗っ取りを防ぎたいなら、2ファクタ認証を設定しましょう。

乗っ取りと似た現象を引き起こすiPhoneの不具合

乗っ取りのような症状が出てしまうと「感染した!」と考えがちですが、実際はゴーストタッチや熱暴走など別の理由である場合もあります。ゴーストタッチとは操作していないのに、iPhoneが勝手に動作する不具合のことです。

ゴーストタッチは、液晶画面の不具合で起こることが多いです。液晶画面をきれいに拭けば、不具合が改善される可能性があります。

熱暴走は、端末本体が熱を持ちすぎて誤作動を起こす不具合です。iPhoneには冷却装置が搭載されていないので、熱がこもりやすくなります。一度冷却して熱を冷ませば、不具合が改善される場合が多いです。

iPhone乗っ取りに備えセキュリティ対策は万全に

アプリケーションをインストールしたり特定サイトにアクセスしたりすると、知らない間にiPhoneが乗っ取られている場合があります。

iPhoneが乗っ取られてしまうと、個人情報が漏えいしたり、身代金を請求されたりするなどの被害に遭うおそれがあるので注意が必要です。iPhoneの乗っ取りに備えて、セキュリティ対策は万全におこないましょう。

この記事の監修者

株式会社フラッシュエージェント

取締役 大橋光昭

1983年大阪府生まれ。OA機器販売営業、インターネット広告代理店のマーケティング職・新規事業開発職などを経て、2015年4月 株式会社ヒカリオを同社代表と設立。iPhone修理事業の担当役員として商業施設を中心に延べ14店舗(FC店含む)の運営に携わる。2019年7月 iPhone修理事業の売却に伴い株式会社ヒカリオを退職。2019年10月 株式会社フラッシュエージェント入社。「スマホ修理王」の店舗マネジメント及びマーケティングを担当。2020年4月 同社取締役に就任。

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