esimとは│メリット・デメリット・利用開始までの流れを解説
2022年12月28日
本記事では「eSIMって最近よく耳にするけど、実際にどんなものか知らない」という方に向けて、eSIMの仕組みやeSIMのメリット・デメリットを解説します。
「eSIMについてざっくりと把握したい」「もっと便利なスマホライフにしたい」等の思いがある方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
・eSIMの仕組み
・eSIMと物理SIMは何が違うのか
・eSIMだからこそ可能なこと
■eSIMのメリット・デメリット
■メリット
・オンライン手続きでサクッと乗り換え手続きを完了できる
・SIMカードの挿し替え・返却ナシ
・スマホ1台で複数回線使える
・海外旅行の際に
便利
■デメリット
・eSIM対応の端末が必要不可欠
・契約可能な会社・プランが多くない
・機種変更をする際、端末の乗り換えがしずらい
■eSIM対応の格安通信事業者
■eSIM対応の機種
■eSIMを利用するために準備すること
■必要なもの
・eSIM対応のスマホ
・本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
・クレジットカード情報
■eSIM利用開始までの流れ
■まとめ
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eSIMとは?
★eSIMっていったい何?
日頃よく耳にする<SIMカード>といった、物理的なSIMカードとは異なり、端末本体が製造される際、基板に実装されているものをeSIMといいます。
このeSIMは、私たちの生活に馴染み深いSIMカードとは違い、端末本体にSIMカードを抜き挿しするなどの作業はありません。
そのため、スマホ購入時、SIMカードの設定・手続き等を自身で行う必要はなく、比較的簡単に通信回線を利用できます。
また、物理SIMとeSIM両方に対応しているスマホであれば、2つの通信回線を利用できるのも大きな魅力です。
eSIMの仕組み
eSIM対応のスマホは購入者の手元に届いた段階では、データ通信の情報が書き込まれていないため、手元に届いたら自分自身でデータ通信の情報をeSIMに書き込む必要があります。
QRコード読み取り・専用アプリのインストール等でeSIMにデータを書き込むのがスタンダードな方法です。
データの書き込みが完了すると、データ通信・音声通話が利用できるので、SIMカードを利用するスマホと変わりなく使うことができます。
※スマホを購入する際、eSIM対応のスマホを購入しないとeSIMの利用はできません。その点はご注意ください。
eSIMと物理SIMは何が違うのか
eSIMと物理SIMの異なる点は、以下の2点。
- カードの挿し抜きがあるorない
- 対応する通信プランの選択肢の幅
端末本体の側面部分にSIMカードを挿し抜きする等の作業はeSIMにはありません。
一見とても便利に利用でき、魅力あるeSIMですが課題もいろいろ。eSIM対応のプランやスマホを数多く用意しているメーカー・通信事業者は限られているため、契約する際、物理SIMと比較すると選択肢がグッとダウンします。
この他にも、機種変更をする際に、eSIMプロファイルという加入者データを再発行してもらわなければいけない等、eSIMならではの手間もあるんです。
eSIMだからこそ可能なこと
先述したように、カードの抜き挿しがeSIMにはありません。
そのため、契約するキャリアをチェンジする等の流れがとっても簡単。物理SIMの場合は、契約後SIMカードが手元に届くまで待つ必要がありますが、eSIMではその待機時間はありません。
SIMカードを抜き挿しする煩わしさもないため、契約から利用開始までがスムーズで非常にらくらくです。
eSIMのメリット・デメリット
▼主なメリット4つ▼
- オンライン手続きでサクッと乗り換え手続きを完了できる
- SIMカードの挿し替え・返却ナシ
- スマホ1台で複数回線使える
- 海外旅行などの際に便利になる
▼主なデメリット3つ▼
- eSIM対応のスマホが必要
- 契約できる会社・プランが少ない
- 端末の乗り換えをしにくい
それぞれ次項で詳細を説明します。
メリット
オンライン手続きでサクッと乗り換え手続きを完了できる
eSIMの魅力は、なんといってもキャリアの変更が手軽に行えるという点にあります。オンラインでサクッと契約を済ませて通信回線を開通できるんです。
手続きを行ってから早ければおおよそ1時間後に、新しいキャリアの契約が完了。その完了と同時に通信回線を利用できます。
物理SIMと違って、SIMカードが手元に届くのを待たずに通信回線を利用できるのは大きな魅力。オンラインでの手続きに慣れている方であれば、この手軽さは見逃せません。
サクッと乗り換え手続きを済ませれば、時間を有効活用できます。
SIMカードの挿し替え・返却ナシ
乗り換えに関するメリットの他にも、eSIMならではのポイントが。先述したように、カードを挿し替える必要がeSIMにはないんです。そのため、キャリアの乗り換えをする際、自分で行わなければならない作業がほぼないんです。
物理SIMであれば、手元にSIMカードが届いた時点で、自分で端末本体にSIMカードを入れなければいけませんが、eSIMではその作業はナシ。
取り出したSIMカードの返却手続きもeSIMならありません。eSIMの場合は、電子的な作業でデータ情報の書き換えを行えば、契約手続きが完了するので、細々とした手続きを自分で行わなくてもいいんです。
「作業が面倒くさい」という人にもオススメですし「繊細なSIMカードを自分で取り扱うのがこわい」といった人にも最適なのがeSIMですよ。
スマホ1台で複数回線使える
スムーズな乗り換えというメリットの他にも、eSIMだからこその魅力があるんです。
それは、スマホ1台で複数の回線を利用することが可能という点。使用中のスマホが<物理SIM><eSIM>いずれも対応しているなら、1つの端末で2回線を契約することができます。
eSIMはデュアルSIMとして利用することに長けているため、サブ回線として契約するのがオススメ。
ライフスタイル・用途に分けることによって、総合的に月々スマホにかかる通信料金を抑えることも叶うかもしれません。
海外旅行の際に便利
海外旅行の際、国内で使用しているSIMカードをそのまま現地で利用すると、通信費や通話料金が高額になってしまうという話、誰しも一度は聞いたことがあると思います。
高い料金の請求を避けるために、海外旅行に行く前に、渡航先でも安心して使える契約に事前に切り替えたり・スマホ自体を借りたりする必要があります。
旅行の準備で忙しいのに、こうしたスマホ関連の手続きって非常に面倒だと思いませんか?
「なるべく簡単に手続きを完了させたい」そんな方にオススメなのが、eSIMです。
細々とした手続きも、eSIMなら手軽に済ませることができますよ。
海外でも使える回線と簡単に契約できる体制が整ったeSIM。
プランを変更する・スマホを借りる等の必要ナシ。海外へ行く際は何かとバタバタするので、スマホ関連のこういった手続きもeSIMでサクサク済ませてしまいましょう。
コロナや円安の影響で海外に行く機会は減ってしまったかもしれませんが、eSIMは海外旅行の際の手続きも非常に便利なんです。いずれまた、海外旅行に気軽に行ける社会情勢になれば、eSIM対応のスマホが、快適な海外旅行を叶えてくれるに違いありません。
デメリット
eSIM対応の端末が必要不可欠
eSIMを利用するには、eSIM対応の端末が必須。
eSIMは、2022年12月現在は普及半ばといったところで、すべてのスマホに搭載されているわけではありません。
国内でeSIMの仕組みがスタートしたのは2021年前後なので、eSIM開始以前にリリースされたスマホは、eSIMに対応していないケースがほとんど。eSIM対応のスマホはまだまだ少ないのが現状です。
物理SIMのAndroid・iOSのスマホは様々なモデル・デザインの製品がリリースされていて、自分の合ったものを選べるのが「買い物をする際の楽しみ」という方は少なくないと思います。
そういった方にとって、eSIM対応のスマホが少ない点は、デメリットといえるかもしれません。
契約可能な会社・プランが多くない
eSIM対応の端末が少ないのと同様に、契約可能な会社・プランも物理SIMよりも圧倒的に少ないのもデメリットといえます。自分のライフスタイルにあった通信事業者を選んだり、プランを選択したりするのは、家計のことを考えると重要なポイントです。
しかし、eSIMはそこまで選択肢が広くないので、なかなか自分に合う会社・プランを探すことができないかもしれません。
機種変更をする際、端末の乗り換えがしずらい
eSIMは機種変更を行う際、移行に手間がかかるんです。
利用中のeSIMを新しい端末で利用を継続する際、オンラインで別途手続きが必須となっています。
事業者によって、プロファイルの再発行に手数料がかかることも。
SIMカード自体の扱いがないことは手軽ですが、こういった手間や費用を考えると、「自分には物理SIMの方が合っている」と思ってしまう方もいるかもしれませんね。
eSIM対応の格安通信事業者
▼eSIM対応の主な格安通信事業者▼
- ワイモバイル
- UQモバイル
- ahamo
- povo
- 楽天モバイル
- LINEMO
- IIJmio
- 日本通信SIM
- LinksMate
社数にすると「意外とある」と感じる方も少なくないかもしれませんが、自分自身のライフスタイルにマッチした会社があるかどうかというのも通信事業者を選ぶポイントですよね。
いかがですか、あなたに合う通信事業者はあるでしょうか?
eSIM対応の機種
eSIM対応の端末は、スマホ業界の大手企業から少なからずリリースされています。
▼eSIM対応のスマホ▼
★eSIM対応モデル【iPhone】
iPhoneは、iPhone XRより新しいモデルであれば、eSIMの利用ができます。最近リリースされたiPhone14シリーズやiPhone13、12、iPhone SE(第三世代・第二世代)などもeSIM対応モデルです。
★eSIM対応端末【Android】
Androidのスマホは、会社によって大幅にeSIMへの対応状況に違いがあります。
そのため、ここで紹介するのは一例です。
<Google Pixel>
Google Pixel 6/Google Pixel 5
<OPPO>
OPPO Find X3 Pro/OPPO Reno5A
<AQUOS>
AQUOS sense6s/AQUOS sense6/AQUOS zero6
<Xperia>
Xperia 10 iii Lite/Xperia 1 iV
<楽天モバイル>
Rakuten Mini/Rakuten Hand/Rakuten BIG
現在、自分が使用している端末がeSIM対応かどうか確認したい場合は、使用中のメーカー・シリーズを検索してみてくださいね。
eSIMを利用するために準備すること
次項では、eSIMを契約する手順や必要なものについてご説明します。
基本的にはeSIMは対応するスマホを用意して、キャリアに申し込むだけで簡単に契約できますよ。
必要なもの
eSIM対応のスマホ
先述したように、eSIM対応の端末でなければeSIMの利用はできません。
そのため、eSIMを利用するにはeSIM対応のスマホを用意しなければいけませんので、事前に準備しましょう。
本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
- 運転免許証・健康保険証
- 日本国パスポート・マイナンバーカード(個人番号カード)
- 身体障害者手帳・療育手帳
- 精神障害者保健福祉手帳・特別永住者証明書
- 在留カード(旧外国人登録証) + 外国パスポート
などなど、様々な契約ごとに必要不可欠な「本人確認書類」。
eSIMの手続きにも、上記いずれかの本人確認書類は必須となります。
クレジットカード情報
本人名義のクレジットカードを用意する必要があります。
デビッドカードに対応している通信業者は多くありません。
また、口座振替等の対応も同様です。
eSIMの手続きを行う場合は、本人名義のクレジットカードを用意しましょう。
eSIM利用開始までの流れ
〜大まかな流れ〜
▼各キャリアで手続き
▼利用するスマホ以外のデバイスを活用し、QRコードを表示
▼利用するスマホでQRコードの読み取り
★「設定」からモバイルデータ通信プランを追加
※利用開始手順はキャリアや端末によって異なるため、詳細は各キャリア・スマホメーカーの案内に則って、利用開始までの手続きを行ってください。
まとめ
<esimとは│メリット・デメリット・利用開始までの流れを解説について>と題し、eSIMに関して解説してきました。
eSIMの仕組みや魅力、eSIMの課題点など把握できたでしょうか。
「eSIMを利用しようかどうしようか検討中」という方は、ぜひこの記事を参考に、ライフスタイル・用途にあったeSIMの選択をしてみてくださいね。
eSIMは今はまだ対応が開始されたばかりの状況です。
今後どのように展開していくか、先は読めませんが、海外への移動が多い方やオンラインでの手続きに慣れている方にとっては魅力いっぱいのeSIM。
本記事を読んでみて、興味をお持ちの方は、現在契約中の通信事業者に相談したり、自分自身でeSIMについて深掘りしてみたりするといいかもしれません。
キャリアによってはお得なキャンペーンなどを実施しているケースもあるので、そういった情報をキャッチできるようにアンテナを高く張っておくことをオススメします。
この記事の監修者
株式会社フラッシュエージェント
取締役 大橋光昭
1983年大阪府生まれ。OA機器販売営業、インターネット広告代理店のマーケティング職・新規事業開発職などを経て、2015年4月 株式会社ヒカリオを同社代表と設立。iPhone修理事業の担当役員として商業施設を中心に延べ14店舗(FC店含む)の運営に携わる。2019年7月 iPhone修理事業の売却に伴い株式会社ヒカリオを退職。2019年10月 株式会社フラッシュエージェント入社。「スマホ修理王」の店舗マネジメント及びマーケティングを担当。2020年4月 同社取締役に就任。