iPhoneの修理前にデータのバックアップを取るための2つの方法
2021年6月30日
最終更新日:2022年10月13日
iPhoneを修理に出す際には、必ずデータのバックアップを確認しましょう。iPhoneにある大事なデータを別の場所に移動させることで、端末の故障や破損によるデータの消失を回避できます。
この記事では、iCloudやiTunesにバックアップをとる方法と、修理依頼方法について解説しています。
ご依頼は来店・郵送どちらでも可能です。事前にお電話やメールでもご相談が可能ですので、お気軽にお問い合わせください。詳しくはiPhone修理のご案内ページをご覧ください。
iPhone修理でデータが消える?
正規修理店では消えることも
正規の修理店では、本体交換になることもしばしば。そのため、故障端末に保存していたデータは消えて戻ってくることも多くあります。本体交換になっても、元のデータを復元して使用するために、バックアップは必要不可欠です。
また、Apple公式の配送修理の案内には、事前にiPhoneを初期化するよう記載があります。
第三者修理店なら消さずに可能
「第三者修理店」と呼ばれる、Apple公式の認可を受けていない修理店であれば、基本的に壊れた部品の交換のみを行いデータが保存されている領域には触れないため、データは消えません。
ただし、電子機器の特性上、100%消えないとは言えないため、バックアップが取れる状態なら取っておくべきでしょう。
バックアップとは?
そもそもバックアップとはどういうものなのでしょうか。
基本的にiPhoneで撮影した写真や動画、インストールしたアプリなどは、iPhone本体に搭載されているメモリに保存されます。
この本体内蔵メモリに保存されたデータを、iPhone以外の別の場所に移して保管しておくことを「バックアップ」と呼びます。
移しておく「別の場所」は、大きく分けて2種類あります。
iPhoneのデータバックアップの2つの手段
iCloud
iCloudとは、Apple公式が提供する、データを一時的に保管できるクラウドサービスのことです。
iCloudを使用すれば、PCに繋ぐことなく、iPhone本体だけでバックアップを取ることが可能です。
iTunes
パソコンにiTunesアプリをインストールし、iPhoneをパソコンに接続して行う方法です。
パソコンが必要な方法なため、パソコンがない方やiPhoneだけで手軽にバックアップをとりたい方は、iCloudを使用してバックアップをとりましょう。
そもそもiCloudってなに?
Appleが提供するiCloudは、データを一時的に保管できるクラウドサービスです。保管できるデータは写真やメール、連絡先など多岐にわたり、情報を一時保管するのに最適な場所です。
ただ、サービスを無料で使えるストレージ容量は限りがあるため、使用するうえで注意しなければいけないこともあるのです。まずは、iCloudの基本情報や主な機能から見ていきましょう。
データを一時的に保管できる場所
iCloudは、iPhoneにあるデータを保管してくれるクラウドサービスのことです。データはインターネット上に保管されるため、ログインすればiPhoneに限らず各端末からアクセスできます。
普段使用するiPhoneのデータをiCloudにバックアップとしてデータを保管しておけば、たとえ故障や破損で端末が動かなくなってもデータだけはあとで復旧することが可能です。
iCloudに無料で保管できるストレージ容量は5GBまで。容量を超えた場合は有料プランへの変更が必要ですが、自分が保有するデータ量に合わせていつでも簡単にストレージ容量を追加できます。
iCloudが提供する主な機能
iCloudは、写真やメール、連絡先などあらゆるデータを保存できます。ここでは、iCloudが提供する主な機能についてまとめました。どのようなデータを保管できるのか確認してみましょう。
【iCloud写真】
iCloud写真の機能を使用すると、iPhone上にあるすべての写真や動画を保管することが可能です。iCloud写真にはフル解像度の写真や動画が自動的にアップロードされ、ファイルサイズの小さい軽量バージョンは端末に保存されます。
端末に軽量のデータが保存されるため、デバイスのストレージ容量を十分に確保できるのです。フル解像度の写真や動画が必要な場合は、いつでもオリジナルの写真をダウンロードできます。
またiCloud写真に保管された写真や動画は、検索したり友達や家族などほかの誰かに共有したりすることも可能です。好きなテーマでまとめたアルバムも作れるため、招待した相手はアルバムを見たりコメントを残したりできます。
【アプリ】
iCloudには、メールやカレンダー、連絡先、リマインダーなどの情報も一時的に保管できます。iCloud上には常に最新の状態で保存され、すべてのデバイスから内容を確認することが可能です。また、iPhone以外のデバイスから新しく電話番号を追加したりメモを上書きしたりしても、すべてのデバイスで情報がアップデートされます。
【メッセージ】
iPhoneのメッセージ機能でやり取りしたすべての情報がiCloudに自動的に保存されます。新しいiPhoneに移行してもアドレスはもちろん、友達や家族とのやり取りなども検索可能です。そして、前回のやり取りの続きから会話を再開できます。またあるデバイスで始めた会話も別のデバイスで引き継げるため、もしもの時にも安心です。
【iCloud Drive】
iCloud Driveは、あらゆる種類のファイルを格納できるクラウドストレージのことです。PagesやKeynoteなどで作成したデータは、iCloud Driveに保存して共有することですべてのデバイス間で自由に整理したり変更したりできます。
整理したり変更したりしたデータはその内容がすべてのデバイス上で反映されるため、チームで一緒に作業するときにも便利です。またファイルの閲覧や編集などの可否は自分自身で調整できるため、状況に合わせて設定を変更できます。
【バックアップと復元】
iCloudは、Wi-Fi経由でiOSデバイスとiPadOSデバイスを自動的にバックアップしてくれます。大切なデータや情報はすべて保存されるため、iPhoneを失くしたり新端末に変更したりしても簡単にデータを復元することが可能です。
またiCloudを使用すれば、旧端末に保存された写真や動画、アプリなどを新端末に移動することも簡単。新端末を設定するときにiCloudにサインインするだけで、数秒で完了します。
※本体OS及びソフトウェアのバージョンにより操作方法やバックアップ内容が異なる可能性があります。
iCloudの空き容量を確認する方法
iCloudでアカウントを作成すると、自動的に5GBの無料ストレージが使えるようになります。5GB以内のデータ量であれば無料で使い続けられますが、容量が不足した場合は有料プランへの変更が必要です。ただ、iPhoneでどのくらい空き容量があるのか分からない人も少なくありません。そこで、アップグレードする際の有料プランの種類やiCloudの空き容量を確認する方法を紹介します。
iCloudの空き容量を確認する
「設定」「ユーザ名」「iCloud」の順に選択していくと、現在iCloudの容量をどの程度使用しているのか、どの程度空き容量があるのか確認することができます。
写真や本体データのバックアップをiCloudにしていると、無料で使える5GBはあっというまに使い切ってしまいます。そんなときは大容量の有料プランにアップグレードしてみましょう。
容量不足の場合はアップグレードする
ストレージ容量が足りない場合は、有料プランへのアップグレードが必要になります。iPhoneでアップグレードする方法は、以下のとおりです。
1.「設定」「ユーザ名」「iCloud」「ストレージを管理」の順に選択
2.「さらに容量を購入」または「ストレージプランを変更」を選択
3.好きなプランを選択
4.「購入する」を選択すれば完了
iCloudのプランは、以下のとおりです。
【5GB】
無料プランで、連絡先やメモ、カレンダーなど基本的なすべてのデータを保存するのに最適です。
【50GB】
50GBは一番人気の有料プラン。月額130円(税込)で写真や動画、ファイルを保存できます。
【200GB】
写真が多い人は200GBの有料プランがおすすめ。月額400円(税込)で利用できます。
【2TB】
家族で使いたい人に最適な有料プラン。月額1,300円(税込)で、家族5人の一生分にあたる写真や動画などあらゆるデータを保存できます。
iCloudの空き容量を増やすには?
無料プランを使い続けたい場合は、iCloudのストレージ容量を確保する必要があります。ストレージ容量を確保する方法は、以下のとおりです。
・写真や動画を削除する
・フォルダやファイルを削除する
・バックアップ機能を管理する
iCloudのデータを管理できれば、ストレージ容量も確保できます。ストレージ容量を増やしたい人は、ぜひ実践してみましょう。
写真や動画を削除する
簡単にストレージ容量を確保したいなら、不要な写真や動画を削除することです。あるデバイスで削除された写真や動画は、同じアカウントでログインしているほかのデバイスでも自動的に削除されるので気をつけましょう。iPhoneから写真や動画を削除する方法は、以下のとおりです。
1.写真アプリを開き画面下の「写真」を選択
2.削除したい写真や動画を選択
3.削除ボタンを選択し「写真を削除」をタップすれば削除完了
フォルダやファイルを削除する
iCloud Driveに保存するフォルダやファイルに、今は使用していないデータがあるなら削除することがおすすめです。ほかの人が共有しているフォルダやファイルは、自身のiCloudストレージ容量は消費しないため安心しましょう。iPhoneからフォルダやファイルの削除方法は、以下のとおりです。
1.ファイルアプリを開いて「ブラウズ」を選択
2.「場所」「iCloud Drive」「選択」の順に選択
3.削除したいフォルダやファイルを選択し、削除ボタンをタップ
4.「場所」「最近削除した項目」「選択」の順に選択
5.削除したいファイルを選択し「削除」をタップ
バックアップ機能を管理する
デバイスの情報の多くは、日々自動的にバックアップされています。iCloudのストレージ容量を確保したい場合、バックアップ機能を管理するのがおすすめです。特定のアプリだけバックアップする方法は、以下のとおりです。
1.「設定」「[ユーザ名]」「iCloud」「ストレージを管理」「バックアップ」の順にタップ
2.使用するデバイスの名前を選択
3.「バックアップするデータを選択」でバックアップが不要なアプリを「オフ」にする
4.「オフにして削除」を選択すれば、そのアプリに対して iCloudのバックアップがオフされる
※本体OS及びソフトウェアのバージョンにより操作方法やバックアップ内容が異なる可能性があります。
iCloudのバックアップ設定方法
iPhoneにあるデータをiCloudに保存しておけば、たとえiPhoneが破損したり故障したりしても大切なデータはあとで復元できます。iCloud でバックアップする方法は、以下のとおりです。
1.デバイスをWi-Fiに接続
2.「設定」「ユーザ名」「iCloud」の順にタップ
3.「iCloud バックアップ」をタップ
4.「今すぐバックアップを作成」を選択してバックアップが終わったら終了
自動的にバックアップする方法
iCloudでデバイスのバックアップを自動的に取るには、設定をする必要があります。バックアップを自動的に取るための設定方法は、以下のとおりです。
・「設定」「ユーザ名」「iCloud」「iCloud バックアップ」でタップして「iCloud バックアップ」がオンになっているか確認
・デバイスを電源に接続
・デバイスをWi-Fiに接続
・デバイス画面のロックを確認
PCからバックアップをとるには?
iPhoneにあるデータを保存する場合、パソコンからでも操作を行うことができます。iPhoneが故障や破損したときにも役立つため覚えておくと便利でしょう。パソコンからバックアップを取る方法は、以下のとおりです。
1.デバイスをコンピュータに接続
2.デバイスのパスコードの入力
3.コンピュータ上でデバイスを選択
4.「今すぐバックアップ」を選択すれば完了
※本体OS及びソフトウェアのバージョンにより操作方法やバックアップ内容が異なる可能性があります。
iTunesでのバックアップ手順と注意点
手順
- パソコンでiTunesをインストールし、iTunesを起動する
- iPhoneをパソコンにケーブルで接続
- iPhoneのロックを解除していない場合は解除する
- iPhoneの画面上に「このコンピュータを信頼しますか?」とポップアップがでた場合には「はい」を選択
- iTunesの画面上部に、iPhoneのアイコンがでてくるので、選択
- iTunes上のバックアップ欄「今すぐバックアップ」をクリック
- バックアップ作業が開始されるので、そのまま待つ
- iTunes上で「最新のバックアップ」の日にちが作業を行った日付になっていればOK
注意点
パソコンで行うiTunesのバックアップは、パソコン本体のメモリに保存されます。そのため、パソコンの容量が足りない場合には正常にバックアップがとれないので、注意が必要です。
正規の手段では、パソコン本体以外の外付けHDDやSSDに保存先を変更することはできません。
バックアップ前にパソコン本体の空き容量を確認しておき、足りない場合には整理しておきましょう。
修理後にバックアップデータを復元する方法
iCloudから復元する場合
iCloudに保存したデータは復元することが可能です。新しく端末を購入したり機種変したりするときもデータ復元は必要であるため覚えておくと便利です。データを復元する方法は、以下のとおりになります。
1.「設定」「一般」「ソフトウェア・アップデート」の順にタップ
2.「設定」「自分の名前」「iCloud」「ストレージを管理」「バックアップ」順にタップし、「バックアップ」の一覧からiPhoneを選択
3.「設定」「一般」「リセット」を選択し、「すべてのコンテンツと設定を消去」をタップ
4.画面から「iCloudバックアップから復元」を選択
5.「バックアップを選択」をタップして一覧から復元したいデータを選ぶ
※本体OS及びソフトウェアのバージョンにより操作方法やバックアップ内容が異なる可能性があります。
iTunesから復元する場合
- 事前にバックアップをとったパソコンとiPhoneを接続
- iTunes上にiPhoneのアイコンがでてきたら選択する
- iTunesの画面上で「バックアップを復元」を選択
- 最新のバックアップデータを選択し、復元開始
- 復元作業中、iPhoneが再起動することがありますが、復元作業が完了するまでは触らないでください
- 作業完了後、パソコンからiPhoneを取り外す
バックアップや復元できないときの対処法
iCloudには、iPhoneにあるデータを移行することができます。ただ、何らかの理由でデータのバックアップや新しい端末への復元ができないこともあるかもしれません。特にバックアップが取れないと大切なデータを保管できなくなるため、困る人も多いでしょう。そこで、バックアップや復元できないときの対処法について解説します。
バックアップできない場合
iCloudにバックアップできない場合、画面に警告が表示されることがあります。警告内容によって対処法も変わるため、それぞれ確認しましょう。
【ストレージが不足している】
画面に「ストレージが不足している」の警告が表示されたら、まず現在の容量を確認します。そのあとは、iCloudに保存中のデータ量の削減やプランのアップグレードを検討しましょう。
【前回のバックアップが完成しなかった】
「前回のバックアップが完成しなかった」の警告が表示されたら、Wi-Fiの接続状況が原因の可能性があります。Wi-Fiの接続状況を確認してから、再度バックアップを試してみましょう。
データが復元できない場合
iCloudにバックアップしたデータを新しいiPhoneに復元できなかった場合は、以下の対処法を試してみましょう。
・デバイスがWi-Fiに接続状況を確認しましょう。モバイルデータ通信でネットに接続した状態では、バックアップからの復元ができません。
・ソフトウェアのバージョンを確認しましょう。必要に応じてバージョンをアップデートして再度データの復元を試してみることがおすすめです。
Appleサポートに問い合わせる
iCloudにバックアップできなかったりデータが復元できなかったりするときは、まずはそれぞれの対処法を試してみましょう。意外と簡単に問題が解決されることもあります。
ただ中には、対処法を試しても問題が解決できない場合もあるかもしれません。そんなときは、Appleサポートに問い合わせしましょう。状況に応じたベストな解決策を提案してくれます。
※本体OS及びソフトウェアのバージョンにより操作方法やバックアップ内容が異なる可能性があります。
iPhoneの修理前はデータバックアップを忘れずに!
iPhoneを修理に出すとき、万が一に備えてiCloudやiTunesにデータを保存しておくことがおすすめです。バックアップを取っておけば、大事な写真や動画、連絡先などあらゆる情報を安全に保存できます。
初めてデータをバックアップする人は、慣れない作業に手間や時間がかかるかもしれません。ただ一度設定を行えば、そのあとは情報を更新するたびに自動的にバックアップを取ってくれます。
バックアップがとれなくてもあきらめないでください
iPhoneを修理に出すなら、大事なデータのバックアップは必ず行いたい作業です。特にメーカーやキャリアにiPhoneに修理を出す場合は、保存されたデータが初期化されてしまうことが多いため、大事なデータも消えてしまいます。
しかし、スマホ修理王では壊れた部分だけを修理するため端末内に保存されたデータが消えることはありません。たとえデータのバックアップができない状態でも修理はできるため、ぜひお近くのショップでご相談ください。
この記事の監修者
株式会社フラッシュエージェント
取締役 大橋光昭
1983年大阪府生まれ。OA機器販売営業、インターネット広告代理店のマーケティング職・新規事業開発職などを経て、2015年4月 株式会社ヒカリオを同社代表と設立。iPhone修理事業の担当役員として商業施設を中心に延べ14店舗(FC店含む)の運営に携わる。2019年7月 iPhone修理事業の売却に伴い株式会社ヒカリオを退職。2019年10月 株式会社フラッシュエージェント入社。「スマホ修理王」の店舗マネジメント及びマーケティングを担当。2020年4月 同社取締役に就任。