Galaxy Fold 実機1

折りたたみスマホはいらない?2つの形・メリット・欠点を紹介!

2020年3月12日

「折りたたみスマホって実際どうなの?」
「折りたたむ必要なくない?」
「持ってみたいけど失敗にならないか少し不安、、、」
という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、日々スマホを分解する修理屋が折りたたみスマホの是非について考察します。

みなさまのスマホ選びの参考になれば幸いです。

【目次】
◆折りたたみスマホとは?
◆折りたたみスマホの2つの形状とターゲット
◆折りたたみスマホのメリット3つ
◆折りたたみスマホのデメリット2つ
◆折りたたみスマホの開閉耐久性は?
◆筆者が実際に折りたたみスマホを触った感想
◆おまけ: ロールスマホが来る!?特許に見る未来のスマホ

折りたたみスマホとは?

Galaxy Fold 実機3
折りたたみスマホとは、その名の通り「折りたたむことができる構造を持ったスマートフォン」です。

特に、狭義では2018年終盤以降に発表された一枚の画面を二つ折りできる端末を指すことが多いですね。

2018年11月のFlexPaiの発表を皮切りに、2019年はSAMSUNGのGalaxy FoldとHUAWEIのMate Xが、最近ではMotorolaからRazrが市場に投入され、続々とラインナップが拡大しています。

2020年現在ではauからGalaxy FoldとGalaxy Z Flipが正式に取り扱われているので、日本でも入手が可能となっています。

折りたたみスマホの2つの形状とターゲット

現在、折りたたみスマホには2つの形が存在します。

それぞれどのような人に向いているのかを以下に検討してみましょう。

タイプ1: 大画面向けの「横折り型」

横折り型は、本のように端末を横に折りたたむタイプです。

タブレットサイズの端末を二つ折りしてスマホとしての側面を併せ持つことで、一台二役できることが特徴です。

複数台持たずにまとめてしまいたい人に最適ですね。

機種例1: SAMSUNG Galaxy Fold

Galaxy Fold
(画像引用元: Galaxy Fold公式サイト)

Galaxy Foldは、SAMSUNGが2019年に発表した折りたたみスマホです。

また、auが正式に取扱機種としたことにより、日本で最初に市場に流通した折りたたみ端末でもあります。

特徴は谷折りの大型ディスプレイです。閉じたときにメインの表示部が内側になるため、平常時に衝撃などを直に受ける心配もありません。

発色や反応は良好な印象です。詳細は後半の簡易レビューを参照してください。

機種例2: HUAWEI Mate X

Huawei-Mate-X
(画像引用元: Mate X公式サイト(英語圏))

HUAWEI Mate Xは、HUAWEIが2019年に発表した折りたたみスマホです。

山折りディスプレイを採用することにより、比較的薄く、閉じたときにも画面サイズが担保される作りとなっています。

現在、流通は中国国内のみとなっています。

早くお目にかかりたいものですね。

タイプ2: コンパクト向けの「縦折り型」

縦折り型は、ガラケーや手鏡のように端末を縦に折りたたむクラムシェルタイプの端末です。

折りたたんだときに通常のスマートフォンの半分程度のサイズになることが特徴です。

コンパクトに持ち歩くことができるので、小さいポケットや鞄を常用する人には嬉しいですね。

また、かつてのガラケーのように畳んだ状態の端末にデコレーションすることが一部でブームになっているとか、、、

機種例1: SAMSUNG Galaxy Z Flip

Galaxy Z Flip
(画像引用元: Galaxy Z Flip公式サイト)

Galaxy Z Flipは、SAMSUNGが2020年に発表した折りたたみスマホです。

現在、日本ではauにより一般販売が開始しています。

通常サイズのスマートフォンを半分に折りたたむことにより、コンパクトな形状を実現しています。

Fold同様、発色、操作性共に良好な印象です。詳細は後半の簡易レビューを参考にしてください。

機種例2: Motorola Razr

razr
(画像引用元: Razr公式サイト(英語圏))

Razrは、Motorolaが2020年に発表した折りたたみスマホです。

かつて一世を風靡したフィーチャーフォン「Razr」の復刻をコンセプトとしており、当時のエッセンスを取り入れたデザインが最大の特徴です。

歴史の復刻という折りたたみスマホの新しい在り方を模索するモデルになりそうですね。

折りたたみスマホのメリット3つ

では、折りたためるスマートフォンのメリットについて検討してみましょう。

折りたたむことで享受できる利点は主に次の3つです。

利点1: 大画面端末の小型化

搭載される画面サイズに対して、本来の半分のサイズで持ち歩きが可能な点が最大のメリットです。

開発・発表当初の方向性として小型タブレット(8インチ程度)の端末を半分に折りたたむことで、スマホとタブレットを一台にまとめ上げる斬新なテーマ・デザインが話題となりました。

従来ではスマートフォンとタブレットの2台持ちが必要だったところが一台にまとまるのは嬉しいことです。

特に、近年はスマートフォンの性能が向上してできることが増えると同時に本体自体の大型化も進み、旧来ファブレットと呼ばれていた大きめスマホのサイズ感が一般化する傾向にあった背景を考慮すると非常に革命的だったのではないでしょうか。

利点2: コンパクト端末の復活

以前は4インチクラスのXperia 〇〇 CompactやiPhone SEなどが主流となっていたコンパクトクラスのスマホも、近年ではほとんど見かけなくなってしまいました。

あのサイズ感はポケットや鞄に入れるのにピッタリで重宝していたのですが、、、

そこで現れたのが縦折り型の折りたたみスマホです。

かつてのガラケーのようにぱたりと閉じて通常のスマホの半分のサイズになってくれるので、画面のサイズはそのままに嵩張ることなく持ち運べるのが嬉しいですね。

、、、筐体と画面そのものが小さい端末が欲しいという話はまた今度しましょう笑

利点2: 複数のアプリを同時に起動できる

画面が大きくなるので、複数のアプリケーションを同時に起動できるようになります。

画面を左右もしくは上下で2つに分けたり、大型端末であればメインウィンドウ1つとサブウィンドウ2つで分けるなどマルチタスクな使用ができるようになります。

例えば、メイン画面でネットサーフィンしながら、サブ画面1でマップを開き、サブ画面2で動画や音楽アプリを起動しておくなんて使い方ができます。

折りたたみ端末はほとんどの場合で高性能な構成になっているので、このようにヘビーな使い方をしてもサクサクと動いてくれるのも嬉しいポイントですね。

折りたたみスマホのデメリット2つ

一方、折りたたみスマホにはデメリットももちろん存在します。

主には次の2点ですね。

欠点1: 分厚くて重い

スマホやタブレットをそのまま二つ折りにするので、基本的には分厚くなります。
また、元々の内臓物もそのままなので折りたたんだ状態のサイズ感を考慮すると少し重いですね。

特に厚みについてはメーカーの考え方によってもだいぶ変わってきます。

「開いた状態での使用をメインに考えるような端末」の場合、開いたときの厚みを基準に違和感のない一枚板にするために設計しているため、閉じたときにその2倍の厚みになります。

一方、「閉じた状態をメインとして開くこともできる考え方の端末」の場合、開く部分の部品を最低限にして薄型化し、閉じたときの厚みが従来的なデバイスに近くなるように設計されます。

何れの場合も、折り曲げたディスプレイの負担を考慮して少し余裕を持った蝶番に設計されるので、その分通常の端末より若干厚くなります。

欠点2: 金額が高くなりがち

最新技術を惜しみなく注ぎ込んだ端末になるため、価格設定が高めになりがちです。
大型端末は20~30万円程度、小型端末は17~25万円程度と一般的なスマートフォンと比較して1.2~3倍近い価格設定になります。

これを高いと感じるか安いと感じるかは人それぞれです。

10~15万円前後が定着しつつある近年のハイエンド端末の価格傾向を押さえながら最新技術の価値を考慮するような「ガジェット好き」に分類されるタイプの人であれば、妥当、小型端末については少し安いくらいに感じるかもしれません。

一方で、数年は買い替えていない人や、格安スマホで充分という人にとってスマホの価格は3万円から高くて9万円程度が相場ですから、箆棒に高いと感じることでしょう。

折りたたみスマホの開閉耐久性は?

折りたたみスマホのCMや動画でパカパカしているのを見て「耐久性は大丈夫なのかな?」と心配される方もいらっしゃると思います。

たしかに、折りたたみスマホの場合はバッテリー・起動状態・動作の機敏性に加えて「折りたたみ機構の損傷」「ディスプレイ破損」も寿命を考える要素になるので重要ですね。

では、実際の耐久性は如何ほどなのでしょうか?

日本で入手可能な端末「Galaxy Fold」を例として、公式発表数値や有志メディアによる実証などを基に検討してみましょう。

現状では問題なさそう!少なくとも3年は使える計算に

折りたたみ機構の耐久性の問題にはナーバスに対策を講じている様子です。

ユーザーの心配ポイントであることを考慮してか、メーカー公式に実証動画を出したり、メディアが自主的にYouTubeでテストを行うなど我々一般ユーザーが検討するポイントが押さえられています。

例えば、Galaxy Foldに於いてSAMSUNGが公式に公開した動画「The Galaxy Fold’s Folding Test」では、20万回の折り曲げに耐え得ることが実証されています。
これは「一人当たり一日に100回の開閉動作を行う」と仮定するSAMSUNGの計算で約5年間は持つ回数に相当します。

一方、有志メディアが公開した動画では別の数字が出ています。
CNETが2019年10月に行った実証ライブストリームでは約12万回の開閉でヒンジの破損や画面の剥がれはないものの、ディスプレイ表示に異常が生じるという結果が出ました。
前述通り1日100回の開閉を仮定条件にすると約3年の計算になりますね。

しかし、SAMSUNGの実証に比べて高速で衝撃の強い試験方法だったことや、普通はこのような開閉を行わないことを考慮すると、一般ユーザーの使用時にはまだまだ持ちそうですね。

バッテリーの劣化や性能的に動作が重くなる症状のほうが先に来るのではないでしょうか。

発表当初は問題だらけだった?!

そんな折りたたみスマホですが、発表当初の耐久性は問題だらけでした。

Galaxy Fold発売前にメディアやインフルエンサーに対してレビュー用に供給された初号機は、早々にしてSNS上にヒンジ部分に起因するディスプレイ故障報告が相次ぎました。

これを受けてSAMSUNGは改良のために発売を延期、その後10月に再度正式に発表しました。

また、2月に発表したMate Xを擁するHUAWEIもこれを受けて発売を延期して見直し、11月に中国国内のみではありますが再度正式に発表しました。

現在流通している端末は全てこうしたトラブルをメーカーが乗り越えた結果なのです。

GIZMODOさんが当時の様子をまとめた記事がありますので、興味のある方は覗いてみてもおもしろいかもしれません。

開閉よりも画面素材の劣化が心配という見解も?

米WIREDが公開した記事では、画面の開閉耐久性よりも素材の劣化が懸念されるという見解があるようです。

一般的にスマホの画面素材は皆さまご存知の通り「ガラス」ですが、初期の折りたたみスマホはプラスチックフィルムが主たる素材に採用されています。

ガラスに比べてプラスチックのほうがダメージに弱く同時に劣化が早いため、キズが付きやすかったり、折り曲げ部分が跡になりやすいので現時点で折りたたみ端末の100%の精度とは言えないのではないかと推測されています。

記事内では「2~3年後には現在各メーカで開発が進んでいる折り曲げ可能なガラスの採用が進むからそれまで待ちたい」とされていますが、今期SAMSUNGが発売したGalaxy Z Flipによって保護層付きという条件はあるものの、折りたたみに対応する超薄型ガラスが実用化されたので意外と未来は早期に来るかもしれません。

筆者が実際に折りたたみスマホを触った感想

かくいう筆者、少しではありますが折りたたみスマホの実機を見ております。

昨年開催のCEATEC 2019のKDDIブースにて先行展示された「Galaxy Fold」、今年発売の「Galaxy Z Flip」には都内のau直営店展示にて触って参りました。

また、HUAWEIのMate Xについては昨年のGOOD DESIGN EXHIBITION 2019にて触れることはできませんが、ショーケースに展示されたものを見ることができました。

簡単ではありますが感想をお伝えします。

Galaxy Foldに触れて、、、

Galaxy Fold 実機1
Galaxy Fold 実機2
初めて触れた折りたたみ端末に「ついに来たか!!」という感動が溢れました。

触れた感想ですが、画面の開閉は至ってスムーズ、タッチパネルについても感触は一般的なスマホと遜色なく、遅延もない印象です。

発色良く高精細な大画面は迫力満点で、ぜひ動画を見たいというワクワクを掻き立てられました。

閉じた部分の画面は小さく、あくまでサブという印象です。時計や電話、ちょっとした連絡程度であれば充分ではないでしょうか。欲を言えば折角なので縦長全面ディスプレイも見てみたいですね。

難点としては一つ、カラーリングの都合上指紋が非常に目立つことでしょうか。

Galaxy Z Flipに触れて、、、

Galaxy Z Flip 実機1
Galaxy Z Flip 実機2
まず一言「ちっちゃいな!!」でした。そして二言目は「ガラケーか!!」ですね。

閉じた部分のサブディスプレイは本当に小さく簡素な表示板という印象で、全盛期のガラケーを彷彿とさせる懐かしい仕上がりでした。

続いて、開いた印象については少し縦に長い普通のスマホですね。
少しヒンジ部分に余裕があるため、閉じたときの2倍より少し長くなります。

発色、操作性共に良好、サイズ感も相まってFoldに比べて一般向けな印象を受けました。

また、S10シリーズから採用されているパンチホール型のフロントカメラについても縁の小型化が進み、表示コンテンツへの影響を最小限に抑える配慮が感じられました。

難点はやはり一つ、カラーリング的に指紋が非常に目立ちますね笑

HUAWEI Mate Xを見て、、、

HUAWEI Mate X実機1
HUAWEI Mate X実機2
触れることはできなかったのですが、ケース越しの印象を少しお伝えします。

最大の特徴はやはり山折りです。閉じたディスプレイが背面カメラ部分の隆起に格納される仕組みになっているので、若干薄く見えました。

また、少し折れた状態でも視野角が比較的広く、発色・視認性共に良好な印象です。

実機には紹介動画が流れていたのですが、滑らかに表示されていましたね。

んー、、、やはり実際に触れてみたいですね笑

おまけ: ロールスマホが来る!?特許に見る未来のスマホ

ロールスマホ図面
これは余談です笑

公開されている特許の出願状況を見ると、SAMSUNGがロール型のスマートフォン(タブレット?)を構想していることが窺えます。

既に大型製品ではLGが同様の巻き取り型のテレビを発表していますし、フレキシブルな有機ELディスプレイの可能性を模索するアイデアとして非常に楽しみですね。

まとめ

ここまで折りたたみスマホについてご紹介してきましたが如何でしたか?

では、最後に私から折りたたみスマホの是非について一言まとめとさせていただきます。

「決して万人に向けた端末ではないが、使い方次第では検討する選択肢として充分にアリ!」

といったところでしょうか。

実機に触れてみたいという方は、2020年3月現在auの直営店で試用が可能です。
興味のある方は一度音連れてみてはいかがでしょうか?
(auの直営店一覧はこちら(公式サイト) 取扱状況は店舗にご確認ください。)

皆さまも有意義なスマホライフをお過ごしください。

お付き合いいただきありがとうございました。
以上、スマホ修理王でした!

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あわせて読みたい

折りたたみスマホのカギである有機ELディスプレイについての詳しい解説記事もぜひ読んでみてください。

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◆部品の初期不良について、保証期間は1ヶ月間です。
 正常に起動しない端末・水没復旧処置・データ復旧作業は保証対象外です。
 ※無料保証の適用は上記期間内に1回限りです。

◆複数箇所を同時に修理する場合、2ヶ所目以降を一律2,000円割引します。

◆SIM取り出しは、SIMの詰まり具合によって、4,800~10,800円です。

◆S7 edgeのガラス・液晶修理は、メーカーであるSamsungの公式不具合により、保証対象外です。

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