スマホのバッテリー容量とは?バッテリー大容量のメリット・デメリット
2022年1月31日
スマホはバッテリー容量によって電力の持ちが異なることを知っていますか?容量が大きいスマホを選べば、充電回数を減らせたりモバイルバッテリーを持ち歩いたりする手間が省けるといったメリットがあります。
そこで今回は、スマホに内蔵されるバッテリー容量の概要やバッテリーを長持ちさせるスマホの選び方を確認していきましょう。
スマホのバッテリー容量ってなに?
バッテリー容量とは、フル充電の状態から0%になるまでに放出される電気量のことです。バッテリー容量が大きいほど多くの電気量を蓄えられます。
バッテリー容量の単位は、mAh(ミリアンペア)です。mAhは1時間に流せる電流のことで数値が大きいほど、1時間に多くの電流を流せるうえに長時間使い続けられます。現在販売されているスマホのバッテリー容量は、3000mAh〜3500mAhが一般的です。
バッテリー容量が大きいスマホであれば、4000mAh以上あるものもありますが、バッテリー容量が大きいからといって電池が長持ちするわけではありません。消費電力やCPU性能、スマホの使い方によって電池の持ちは左右されます。
バッテリーを長持ちさせるスマホの選び方
スマホに搭載されるバッテリーは消耗品であるため、使用年数が長くなると劣化します。しかし、スマホの選び方によっては、バッテリーを長持ちさせることができるのです。バッテリーを長持ちさせるスマホの選び方で注意したいポイントは、消費電力・CPU性能・交換式バッテリーを確認することです。それぞれのポイントを見ていきましょう。
1.消費電力
なるべく消費電力の少ない端末を選ぶのが一つ目のポイントです。スマホの消費電力の多寡を大きく左右する部品の一つが、ディスプレイ。スマホに使用される画面は一様ではなく、画面の大きさや品質の異なるさまざまな画面が使われています。
大きい画面ほど消費電力が多くなりやすいといわれているので、消費電力を抑えたい場合は画面が小さめのスマホを選ぶのが良いでしょう。また、スマホには主に、液晶パネルと有機ELパネルのどちらかの部品が使われています。
この2つでは、有機ELパネルのほうが消費電力が少なくすむため、近年発売されているスマホの多くが有機ELパネルを採用しています。有機ELパネルは黒色を発光させないため、黒色の壁紙を設定するなどして、消費電力を抑えることも可能です。
また、画面をどれだけ滑らかに映すかを表すリフレッシュレートと呼ばれる性能面も見てみましょう。
リフレッシュレートは60Hzや120Hzなどの数値で表され、この数値が大きいほど消費電力も多くなる傾向にあります。ゲームアプリなどを頻繁に使用しないのであれば、高い数値にこだわらず、低い数値のものを選んでみましょう。
2.CPU性能
CPUは「Central Processing Unit」の略語で、日本語に訳すと中央処理装置のことです。スマホのすべての動作をつかさどる中枢部品で、CPU性能が高いほど処理速度が速まります。CPU性能と合わせて覚えておきたいのが、「コア」と「クロック周波数(GHz)」です。
コアはCPUの根幹を担う部分で処理を実行する役割があります。クロック周波数は、CPUが1秒間に命令を何回出せるかを表す指標のことです。コアとクロック周波数の数値が高くなると、消費電力が大きくなるためバッテリーの持ちが悪くなります。
バッテリーを長持ちさせたいなら、「シングルコアCPU」を選びましょう。シングルコアCPUは消費電力が小さいため、バッテリーを長持ちさせられます。ただし、シングルコアCPUは処理能力が低いので、複数の作業を並行して行いたい場合には適しません。
3.交換式バッテリー
スマホのバッテリーは、取り外しができない「内蔵式」と手軽に取り外せる「交換式」があります。近年は、バッテリーの大容量化が進んでいるため、内蔵式を採用するスマホが多いです。しかし、大容量バッテリーとはいえ、バッテリーは消耗品なので長年使い続けていると徐々に劣化していきます。
同じスマホを長く使い続けたいなら、交換式のバッテリーを選ぶのがおすすめです。交換式であればバッテリーの劣化が進んでも、新しいバッテリーに交換すれば容量が復活します。新しくスマホを購入するときは交換式かどうか確認して選びましょう。
大容量バッテリーのメリット・デメリット
近年は、4000mAh以上の大容量バッテリーを備えるスマホも多く販売されています。スマホで作業することが多い人なら、大容量バッテリーのスマホを購入しようか迷うこともあるでしょう。ただし、大容量バッテリーはメリットだけでなく、デメリットもあります。
- バッテリーの寿命が長くなる
- モバイルバッテリーが不要
- コンパクトさに欠ける
メリットとデメリットを踏まえて大容量バッテリーのスマホを選べば、あとで後悔することもありません。それぞれの項目を確認していきましょう。
1.バッテリーの寿命が長くなる
大容量バッテリーのメリットは、多くの電力を蓄えられることです。一度充電すると多くの電力を蓄えられるため、1日に何度も充電する必要はありません。通常、バッテリーは充電回数が多くなるほど劣化が進むといわれています。
大容量バッテリーであれば、充電回数を抑えてバッテリーの寿命を長くできるメリットがあるのです。また、繰り返し充電したり途中で充電が切れたりするトラブルが減るといったメリットも得られます。
2.モバイルバッテリーが不要
内蔵電池に蓄えた電力を使用してスマホを充電できる機器が、モバイルバッテリーです。近年は、在宅勤務やモバイルワークなどテレワークの導入が進んでいるため、場所にとらわれず仕事をする機会もあるでしょう。そんなときに役立つのがモバイルバッテリーです。
ただ、モバイルバッテリーは常に持ち運ばなければいけないため、外出時に邪魔になることもあります。大容量バッテリーを備えるスマホなら、一度充電すれば多くの電力を蓄えられるのでモバイルバッテリーの持ち運びが不要になるでしょう。
3.コンパクトさに欠ける
大容量バッテリーは多くのメリットがある一方、コンパクトさに欠けるデメリットがあります。大容量バッテリーを備えるスマホはサイズが大きく重みもあるため、普段の生活の中で使いづらさを感じることがあるのです。
例えば、ポケットにスマホを入れて外出したいときや寝転んだ状態で片手でスマホを見たい場合など、大容量バッテリーは向かないかもしれません。大容量バッテリーを内蔵するスマホを購入するときは、必ずサイズと重さを確認しておきましょう。
スマホのバッテリー容量の確認方法
バッテリー容量の残量は、スマホのデバイスによって確認する方法が異なります。どのくらいの残量が残っているのか理解しておけば、新しいバッテリーに交換する時期も把握することが可能です。
バッテリーの残量は急激に減ることはありませんが、定期的に確認して把握しておくのが良いでしょう。それでは、バッテリー容量の確認方法を解説します。
iPhoneの場合
iPhoneはバッテリーの劣化が進んだとき、新しいバッテリーの交換を推奨するメッセージが表示される新機能がiOS11.3以降に導入されました。このメッセージが表示されたときは、バッテリーの交換時期だと判断することができます。
途中経過を確認したい場合は、「設定」「バッテリー」「バッテリーの状態」の順に進み、最大容量のパーセンテージを確認しましょう。最大容量に表示された数値は、バッテリー容量に対してどのくらいまで充電できるかを表示したものです。数値が低いほど劣化が進んでいることがわかります。劣化の判断が難しいときは、以下を参考にしましょう。
- 80%以上は「良好」
- 80%未満は「劣化が進んでいる状態」
- 60%未満は「交換が必要」
また、ピークパフォーマンス性能の項目に表示されているメッセージでもバッテリーの状態を確認できます。例えば、バッテリーが良好なら、「お使いのバッテリーは、現在、標準のピークパフォーマンスに対応しています」と表示されているはずです。
ただ劣化が進み交換が必要な状態である場合は、「お使いのバッテリーは著しく劣化しています。Apple 正規サービスプロバイダでバッテリーを交換すると、最大限のパフォーマンスや容量を取り戻すことができます」と表示されます。
※iOSのバージョンにより操作方法が異なる場合があります
Android の場合
Androidは、デバイスによってバッテリー容量の確認方法が異なるので注意が必要です。ここでは、Xperiaシリーズ・Galaxyシリーズ・AQUOSシリーズの確認方法をご紹介します。
ただし、Androidのデバイスによっては、バッテリーの状態を確認する機能がないスマホもあります。このような場合は、バッテリー状態が確認できるアプリがあるので、インストールして数値を確認するのが良いでしょう。
Xperiaシリーズ
Xperiaのバッテリー容量は、「設定」「システム」「端末情報」「機器の状態」「電池性能表示」の順にタップすれば確認できます。バッテリー容量が80%未満の場合は、新しいバッテリーの交換を検討したほうが良いかもしれません。
また、Xperiaに備わるテストモード機能でバッテリー容量を確認することも可能です。テストモード機能とは基本的な機能を手軽に確認できるツールで、その中にバッテリー容量を確認できる項目があります。
※バージョンにより操作方法が異なる場合があります
Galaxyシリーズ
Galaxyのバッテリー容量は、Galaxy Membersアプリを使用すれば確認できます。まずはGalaxy Membersアプリを開き「サポート」をタップしましょう。「端末ケア」の自動診断や対話型診断を通じてバッテリーの劣化状態を確認できます。
Galaxyで過度な劣化状態が続くと、デバイスに備わる保護機能によっていきなりシャットダウンされる場合があるので注意しましょう。シャットダウンする状態が何度も起こるなら、早めに新しいバッテリーに交換するのが良いかもしれません。
※バージョンにより操作方法が異なる場合があります
AQUOSシリーズ
AQUOSシリーズのバッテリー容量は、「システム」「端末情報」「端末の状態」「電池の確認」の順にタップするとバッテリーの劣化状態を確認できます。項目に良好と記載があれば、すぐにバッテリーを交換する必要はありません。ただし、「内蔵電池の性能が低下しています」と記載がある場合はバッテリーの劣化が進んでいる状態です。早めに新しいバッテリーに交換するようにしましょう。
※バージョンにより操作方法が異なる場合があります
バッテリーの交換が必要な4つの症状
バッテリーの劣化が進むと新しいバッテリーに交換する必要がありますが、スマホの容量や使い方によって劣化の進み具合が異なるため、いつ交換するべきか悩む人も多いはずです。ただ、バッテリーの劣化が進むと端末に特有の症状が現れます。
劣化したときの主な症状は、以下のとおりです。
- 充電がすぐ無くなる
- 突然シャットダウンする
- 動作や起動が重くなる
- バッテリーが熱くなる
これらの症状が現れたら、新しいバッテリーに交換する時期かもしれません。それぞれの症状について詳しく確認していきましょう。
1.充電がすぐ無くなる
フル充電の状態にもかかわらず、すぐに充電が減ってしまうのはバッテリーの劣化が原因の可能性があります。スマホに使われるバッテリーはリチウムイオン電池です。
リチウムイオン電池は、一定の充電回数を超えると劣化が進むことがわかっています。長年使用しているスマホであれば、何度も充電を行っているため、劣化が進んでいるのかもしれません。フル充電しているにもかかわらず、すぐに電力が無くなる場合はバッテリーの交換を検討するのが良いでしょう。
2.突然シャットダウンする
充電が十分残っているにもかかわらず、使用中にいきなりシャットダウンするときはバッテリーの劣化が原因である可能性があります。バッテリーの劣化が進んだときに突然シャットダウンするのは、充電サイクルが限界点に達しているからです。
スマホを使用する最中にいきなりシャットダウンしてしまうと、大事なデータが消失することもあります。頻繁にシャットダウンが起こるようなら、新しいバッテリーに交換するのがいいかもしれません。また、使用中に突然再起動を起こす場合も要注意です。バッテリーの劣化が進んでいるサインなので、交換や買い替えを検討しましょう。
3.動作や起動が重くなる
リチウムイオン電池が劣化すると、アプリの起動や動作が遅いと感じることがあります。ただし、アプリの起動や動作が重く感じるのは、バッテリーの劣化ではなく、ストレージの空き容量が少なくなっていることが原因であることも考えられます。
まずは、使用する頻度が少ないアプリや不要なデータを削除してみましょう。ストレージ容量を空けることで不具合が改善されることがあります。しかし、使用頻度が少ないアプリや不要なデータを削除しても不具合が改善されない場合は、バッテリーの劣化が原因である可能性が高いです。新しいバッテリーへの交換や買い替えを検討しましょう。
4.バッテリーが熱くなる
スマホを触ったときに熱いと感じたら、バッテリーの劣化が進んでいる証拠です。スマホは高温環境に長時間置いていたり特定のアプリを使い過ぎたりすると、バッテリーに熱がこもることがあります。
しかし、バッテリーに熱がこもるような行動を取っていない場合は、バッテリー自体に熱が発生していると考えたほうが自然です。バッテリーは熱に弱いため、その状態で放置すると故障につながる危険性もあります。早めに新しいバッテリーに交換するのが良いでしょう。
スマホのバッテリー消費を抑えるコツ
バッテリーは半永久的に使用できるものではなく、たとえ容量が大きいものでもいずれ寿命を迎えます。しかし、使い方を少し改善するだけで、バッテリーの消費を抑えることができるのです。バッテリーの消費を抑えるには、次のようなコツがあります。
- 充電しながら利用しない
- 高温になる環境に放置しない
- 使用していないアプリを消す
- 長時間充電し続けない
- ディスプレイの明るさを調整する
それぞれの項目を確認していきましょう。
1.充電しながら利用しない
スマホを使用するとき、充電しながら動画を見たりゲームをしたりする人も多いでしょう。ただ、電力の消費と充電を同時に行なうと、バッテリーに負担をかけて劣化を加速させる原因になることも少なくありません。
バッテリーの消費を抑えたいなら、充電と使用を同時に行わないことが大切です。また、充電しながらスマホを使用すると、端末に熱がこもりバッテリーに負担をかけてしまいます。スマホの故障原因になることもあるため注意が必要です。
2.高温になる環境に放置しない
バッテリーは、高温の環境にとても弱いです。たとえば、気温の高い場所で長い時間放置すると、バッテリーの劣化を著しく加速させてしまうことがあります。通常よりも寿命を早めるおそれもあるので注意しましょう。
高温環境で特に注意したいのは、夏場の車内や窓際などがあります。また、なかには湯船に浸かりながらスマホを使う人もいるでしょう。入浴中にスマホを利用すると、バッテリーが許容する温度を超えてしまう可能性があります。バッテリーだけでなく、そのほかの部品に悪影響を与えることもあるので注意して使用しましょう。
3.使用していないアプリを消す
iOSのバージョンによっては、小まめにタスクを切ることでアプリを立ち上げる際にエネルギーを使うため、むしろバッテリーに負荷がかかってしまうことがあります。頻繁に使用するアプリはバックグラウンドで起動させておくのがおすすめです。
ただし、アプリは使用していないときもバッテリーの消費に影響を与えています。あまり使用しないアプリがあるのであれば削除するのがいいでしょう。
4.長時間充電し続けない
リチウムイオン電池は、フル充電の状態が続くとバッテリーに負担がかかってしまい、劣化するという特徴があります。バッテリーの消費を抑えたいならフル充電のまま放置しないことがベストなので、充電が完了したらすぐに充電ケーブルを外すなどの配慮が必要です。
寝る際に充電をする人も多いですが、朝までフル充電の状態が長く続く場合もあります。劣化の原因になることもあるので注意しましょう。
5.ディスプレイの明るさを調整する
電力の消費を抑えたいなら、ディスプレイの明るさを調整する方法もあります。近年は、スマホの高解像度化が進んでいるため、ディスプレイが消費する電力が大きくなっています。
電力が消費されると充電回数が増えるため、バッテリーを劣化させる原因になってしまうのです。バッテリーの消費を抑えるためにもディスプレイの消費量を最小限に抑えることが大切になります。また、画面の明るさに加えてスリープモードの時間を短く設定するのも有効です。短い時間でスリープ状態になれば、無駄な電力の消費を抑えられます。
バッテリーの故障はスマホ修理王にご相談ください!
近年は、バッテリーの容量が大きいスマホも多く販売されています。ただし、バッテリー容量が大きいからといって電池が長持ちするわけではありません。スマホの使い方や選び方によっては、バッテリーの劣化が早まることもあります。
バッテリーの劣化が進むと、急に電源が落ちたり再起動を繰り返したりなどスマホにさまざまな症状が現れるので、使いづらさを感じるはずです。そのまま放置するとスマホが故障する原因になることもあるので、早めに新しいバッテリーに交換しなければいけません。
スマホ修理王では、スマホのバッテリー交換を行っております。スマホのバッテリーに劣化症状が現れたら、ぜひお近くの店舗にてご相談ください。
※機種や症状により一部店舗ではご対応できない場合があります。予めご了承ください
この記事の監修者
株式会社フラッシュエージェント
取締役 大橋光昭
1983年大阪府生まれ。OA機器販売営業、インターネット広告代理店のマーケティング職・新規事業開発職などを経て、2015年4月 株式会社ヒカリオを同社代表と設立。iPhone修理事業の担当役員として商業施設を中心に延べ14店舗(FC店含む)の運営に携わる。2019年7月 iPhone修理事業の売却に伴い株式会社ヒカリオを退職。2019年10月 株式会社フラッシュエージェント入社。「スマホ修理王」の店舗マネジメント及びマーケティングを担当。2020年4月 同社取締役に就任。